カテゴリ「第29期竜王戦挑決第1局」の記事 Feed

2016年8月15日 (月)

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渡辺明竜王への挑戦を目指す第29期竜王戦挑戦者決定三番勝負第1局の▲丸山忠久九段-△三浦弘行九段戦は、21時39分に101手で丸山九段の勝ちとなりました。消費時間は▲丸山4時間59分、△三浦4時間18分。勝った丸山九段は、あと1勝で挑戦者です。
挑戦者決定三番勝負第2局は8月26日(金)に東京・将棋会館で指されます。

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図は73手目▲5六飛の局面。ここから△3五飛▲4四金△5五銀と三浦九段が勝負手を出しました。以下丸山九段は▲5三金△同玉▲4四角から寄せに出ました。最終盤を迎えています。

20160816_monitor3 (頭を抱える丸山九段)

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図は69手目▲5五金の局面。この手はふたつの意味があります。ひとつは4七香と連動させて▲4四金と出て後手玉に迫る意味。もうひとつは▲7三歩成△同桂▲7四歩に△6五桂と金を取られるのを避ける意味です。

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図は55手目▲4六歩の局面。丸山九段は58分の長考で、角を直接攻める指し方に出ました。△2八歩成▲4五歩△8八角成▲同玉△2九とが予想されています。
▲4六歩のほかに▲5六歩と突く手も有力といわれていました。いずれも先手十分が検討陣の見解でした。比較検討に時間を使ったと考えられます。

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図は54手目△2七歩まで。控室では直前の△7三歩では△7三桂、△2七歩では△2八歩が本命視されていました。△2七歩は△2八歩成から△3八とで銀を取りにいくつもり。
意外な手順ですが、「三浦さんらしいといえば、三浦さんらしいです。陣形についてのとらえ方が独特なんです。7三歩が堅いので△2七歩が間に合うと見ているのですね」と控室を訪れた棋士が話します。
ただし、形勢は先手が少しよいようです。丸山九段は50分以上使い、残り時間は15分を切りました。三浦九段は残り1時間21分です。