カテゴリ「第33期竜王戦挑決第1局」の記事 Feed

2020年8月17日 (月)

Dsc_3853(得意の一手損角換わりで先勝、丸山忠久九段)

――本局を振り返っていかがでしょうか。

丸山「(6二に)玉を上がるのは予定変更だったので。▲6六歩と突かれたところはあまり自信がありませんでした。取り込むつもりだったのですが、怖くなってしまって」

――これで先勝となりました。第2局に向けて抱負をお願いします。

丸山「まだ1局目なので。引き続き全力を尽くして頑張りたいと思います」

Dsc_3861(敗れた羽生善治九段)

――本局を振り返っていかがでしょうか。

羽生「序盤から激しい展開で、ずっと難しいと思っていたのですが。途中でちょっと攻め方を間違えていたかもしれません」

――第2局に向けて抱負をお願いします。

羽生「また次に向けて頑張ります」

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第33期竜王戦挑戦者決定三番勝負第1局は、図の局面までで丸山九段の勝ちとなりました。終局時刻は20時25分。消費時間は、▲羽生九段4時間50分、△丸山九段3時間29分。

勝った丸山九段は挑戦権獲得まであと1勝です。

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丸山九段は図で△4三飛を指しました。決め手と見られています。▲同歩成は△5八銀▲5七玉△6五桂が一例で詰み筋に入ります。丸山九段の反撃開始から仕留めるまでの手際が見事でした。

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丸山九段が62手目△4八歩から反撃に出ています。図の△4九角はもはや寄せにいっています。決まるかどうかの瀬戸際です。控室では、梶浦六段、三枚堂七段、鈴木大介九段(日本将棋連盟常務理事)が検討していました。後手が押しているのは間違いないようです。


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先手は金得で竜もできました。△7二金には▲3二竜があります。一見、先手優勢に思えますが、先手陣を振り返ると、居玉でと金も作られています。△4八歩がかなりの手で難しいようです。残り時間は▲羽生32分、△丸山2時間32分と大きな差があります。

Dsc_3622(積極的に攻めた羽生九段。攻めたあとの反動を受け止められるか)

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図の局面で羽生九段が34分使って夕食休憩に入りました。休憩時間は18時から40分間。消費時間は▲羽生4時間26分、△丸山2時間21分(持ち時間は各5時間)。羽生の出前注文は「ざるそば」(ほそ島や)、丸山が「ヒレカツ定食、赤だし」(ふじもと)。

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先手は6五にいた銀で角銀交換を果たし、3五の銀で飛車を押さえ込んでいます。やりたいことをそのままできている印象を受けます。

図の局面は先手が駒得であり、▲8二角や▲3六角など角の使い道が多いことから、梶浦宏孝六段は「やや先手持ち」と話しています。ただ、4七のと金は不気味で先手も怖さがあります。


Dsc_3766(控室で継ぎ盤に向かう梶浦六段。本局の新聞解説を務める)

Dsc_3769(梶浦六段は今期5組優勝から決勝トーナメントベスト4まで勝ち上がった)

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図は15時21分の局面。羽生九段は主導権を握ろうと攻めかかってます。銀2枚を五段目に進め、金2枚は自陣低くに残す、駒の役割がはっきりした陣形です。15時30分、丸山九段は図から△4七歩成と踏み込みました。早くも勝負どころといえそうです。


Dsc_3480(丸山九段は序盤をノータイム指しで飛ばし、急所で時間を使う)