カテゴリ「第25期竜王戦七番勝負第5局」の記事 Feed

2012年11月29日 (木)

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(終局直後、報道陣がなだれ込む)

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―― 本局は大熱戦でした。攻める展開になりましたね。

渡辺 ちょっと形勢も終始分かりませんでした。

―― では勝ちを意識したというのは相当遅い?

渡辺 そうですね。最後に自玉が詰まない順が見えたので、勝ちになったと思いました。

―― 作戦的にはまずまずだったのですか?

渡辺 後手番で主導権が取れたので、そうですね。今日の午前中の指し手が分からなくなってしまったので、見た目よりはうまくいってないのかなと。

―― 今シリーズ4勝1敗でしたが全体を振り返ってもらえますか。やはり最初の3連勝は大きかった?

渡辺 そうですね。前局ふがいない将棋を指してしまったので、今日は内容のある将棋を指したいと思っていました。

―― 第1局・第2局と早く終わったりして最初はいい流れだったけれども前局がちょっということですね。

渡辺 前局ちょっと先手番にしてはもったいない将棋だったので切り替えて指そうと思っていました。

―― ちょうど、この対局場で竜王を獲ってから9回目ですね。

渡辺 自分でも驚くような数字ですけど、また今年もタイトルを守れたなと。

―― 区切りの10とか色々な数字が見えますが。

渡辺 毎年、防衛そのものが目標であるので、また頑張りたいと思います。

―― 今シリーズは将棋の内容的には前局以外は?

渡辺 そうですね。それを除けばまずまず指せたと思います。ただ毎局、完璧には指せないので。

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―― 本局は大熱戦で最後まで手に汗握っていたのですが。

丸山 1日目に苦しくしたかなと思ったのですが。

―― 我慢して盛り返したというところですか?

丸山 最後、難しくなったかなと思ったのですが、▲6三金(117手目)辺りで何かないと不味いかもしれないですね。

―― シリーズ全体では今回も残念な結果になりましたが、いかがですか。

丸山 前半良くない将棋を指してしまったので、こういう結果も仕方がないですね。

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寄ると思われていた先手玉は容易には捕まらない。「いやぁ~」とハッキリ聞こえる声を発して丸山九段は6八へ歩を打った。上へ逃がしてしまっては先手玉は寄らなくなる。後手の攻めが繋がるかどうか。形勢は混沌としている。

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△5二歩と打たれて2分残っていた時間を1分使って、丸山九段は1分将棋。最後の1分は秒を「60」まで読まれれば時間切れ負けになってしまう。「59」まで着手しなければならない。

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「竜王が優勢ですね。▲5七同金は△同角成があります。先手はおもわしい手がありません。歩があれば▲2四歩と打ちたいのですが、あいにくありません」と飯塚七段。

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(渡辺竜王が9連覇へ近づいている)

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▲2三歩と王手で打たれた局面で渡辺竜王の手が止まっている。控室の検討ではハッキリとした結論は出ていない。

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▲2三歩まで、先手の丸山九段は残り5分、渡辺竜王の残りは47分。