カテゴリ「第33期竜王戦七番勝負第2局」の記事 Feed

2020年10月23日 (金)

Img_3395_2 終局直後の様子。両者にインタビューが行われた。

Img_3421_2シリーズ初勝利で1勝1敗のタイに戻した羽生九段。

【羽生九段の談話】

――本局を振り返っていただいていかがでしたか。
「角換わりで、お互いに動き方や待ち方が難しい将棋でした。こちらも仕掛けていったあたりは、だいぶ迷ったのですが。他に適当な手が見つからなかったので、思い切っていきました」

―― 序盤はしっかり準備されてきた印象もありました。
「最近似たような将棋を先手で指したので、それを踏まえて、というところです」

――封じ手のあたりはどう見ていましたか。
「封じ手前後が手が広いところでしたので、どういう展開になるのか予測ができなかったです」

――2日目に入って激しくなりましたが、形勢のよさを感じたのはどのあたりですか。
「ずっと際どい展開で、難しい局面が続いていると思って指していました。最後の寄せがなんとか見えたところで勝ちになったかなと」

――これで1勝1敗のタイになりました。第3局への抱負をお願いします。
「引き続き、いい将棋が指せるように頑張っていきたいと思います」

Img_3424_2 豊島竜王。

【豊島竜王の談話】

――本局を振り返っていかがでしたか。
「途中から苦しい感じになってしまって。どこが悪かったのかは、ちょっとまだはっきりわからないですけど。▲3四桂(65手目)のところで▲3六飛とすれば長いのでしょうけど……」

――1勝1敗となりましたが、第3局の向けて抱負をお願いします。
「気持ちを切り替えて、また頑張りたいと思います」

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投了図

第33期竜王戦七番勝負第2局は、96手で羽生九段が勝ちました。終局時刻は17時10分。消費時間は▲豊島竜王7時間28分、△羽生九段6時間57分。

この結果、七番勝負は両者1勝1敗。第3局は11月7、8日(土、日)、京都府京都市「総本山仁和寺」で行われます。

202010228615時54分、羽生九段の放った△7六銀が「寄せの決め手」と控室の検討陣。▲8六歩には△7九角▲8八桂△8七歩で先手玉が寄り筋に。▲7六同飛も△同飛が△7九角▲8八合△9六飛▲同玉△9五飛までの詰めろ。後手玉は▲5一角に△4二銀で詰まず、後手勝勢と見られています。

「ここで▲5一角と打って、△4二銀▲同角成△同玉と銀を入手してから▲8六歩と手を戻せば、△7九角に▲8八銀と打てるので難しいかと思ったのですが、そこで△7八角がありました。以下▲7八同金は△同銀不成で必至です。△7八角は盲点になりやすい手で、もしかすると豊島竜王もうっかりされたかもしれません。この寄せがあっては、後手が勝ちになったと思います」(山崎八段)

Img_3108 万松寺の御深井観音(おふけかんのん)。安産や良縁成就のご利益がある。

15時を回り、対局者におやつが用意されました。注文は、豊島竜王が「フルーツ盛り合わせ」(檸檬屋)と「100% りんごジュース」(Banshoji Bar)、羽生九段が「フルーツ盛り合わせ」(檸檬屋)と「コーヒー」(Banshoji Bar)。

Img_3370 フルーツ盛り合わせとりんごジュース。

Img_3367 フルーツ盛り合わせとコーヒー。

【檸檬屋】
http://e-lemon.jp/
【Banshoji Bar】
https://bar.banshoji.jp/

2020102280図は14時50分の局面。決着をつけにいった羽生九段の猛攻が実を結び、控室の検討陣は後手優勢と判断しています。図から▲8七歩には△7六桂が厳しい追撃。▲9七玉には△8一飛が詰めろで、以下▲7六飛に△7九角▲8八桂△9五歩で後手よしと見られています。

Img_2964 大須商店街のシンボル、巨大招き猫。今回は羽生九段にシリーズ初勝利を招くのか。

2020102276図は14時過ぎの局面。昼食休憩明けから7手進みました。勝負はすでに決まるかどうかという段階に入っています。△8九銀に、▲6九玉は△8七角の王手飛車、▲同玉や▲7九玉は△8七銀が詰めろ飛車取りで後手勝勢です。逃げ場所は▲8八玉しかなさそうですが、▲8七玉と逃げて△5四角の間接王手飛車を打たせて▲6五桂打と頑張って受ける順も考えられています。

Img_3231 羽生九段が決着をつけにいっている。