カテゴリ「第33期竜王戦七番勝負第3局」の記事 Feed

2020年11月 8日 (日)

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以上で第3局のブログ中継を終了致します。ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。
第4局は11月12・13日(木・金)に福島県福島市「穴原温泉 吉川屋」で行われます。本局同様、そちらにもご期待ください。それでは失礼致します。

【豊島将之竜王】

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――相掛かりの将棋でした。封じ手のあたりではどう考えておられたか。
「封じ手は▲9五同歩だと思いました。52手目△5六歩まで考えていて、そこで形勢がよく分からなかったです」

――98手目△2六香のあたりは。
「その前のところは予想していたより先手玉が安定してしまったので、失敗してしまったのかと思いましたけど、104手目△2五歩と突くところまで進むと先手玉を危なくできたので……形勢は分かりませんが、少し前と比べれば難しくはできたと思います。ただそのあと、おそらく112手目△2一香と打ったところは寄せ間違えたかもしれません」

――終盤は際どい勝負でした。勝ちを意識されたところは。
「詰みを発見したところです。162手目△4二歩のところは何かあったとは思うのですが」

――2勝1敗とリードしました。
「次局がすぐにありますので、コンディションを整えて頑張ります」

【羽生善治九段】

Img_9777_p_habu――本局を振り返って。
「終盤は何かあったかもしれません。ただ分からなかったですね」

――98手目△2六香あたりは豊島竜王がよいと控室でいわれていましたが、そのあと羽生九段が逆転したとの見解もありました。
「そうですね、難しくはなっていると思いましたが。攻められたときの応接に問題があったのかもしれません」

――次局に向けて。
「変わらず、大切に対局をしたいと思います」

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七番勝負第3局、▲羽生善治九段-△豊島将之竜王戦は、19時51分、172手で豊島竜王の勝ちとなりました。消費時間は▲羽生7時間59分、△豊島7時間58分。
これで七番勝負は豊島竜王2勝、羽生九段1勝となりました。第4局は11月12、13日(木、金)に、福島県福島市「吉川屋」で指されます。

20201107_163羽生九段が最後の反撃に出ましたが、以下△5三同歩の瞬間に先手玉に詰めろが掛かるのではないかと控室ではいわれています。代えて▲5三桂でも△同歩で、先手玉に詰めろが掛かるといわれていました。

Img_9219 (激しい攻防。ついに終局の時が近づいたようだ)

20201107_135 この少し前には中盤にもあった「千日手」のワードが出ましたが、134手目△6六角▲5七銀のやりとりを見て「千日手はなくなりました」と畠山鎮八段。豊島竜王が寄せきるか、そうでなければ羽生九段が逆転、という最終盤に突入しています。

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Img_9364_z_habu03_2 (控室では先手玉の寄りは発見されていない。羽生九段が押し返したか)

20201107_122桂を取り払う△6五銀に、継ぎ盤前からは「うわー、読んでない」との声が。代えて△2六歩▲3八玉△2七銀▲3九玉△3六銀成以下の直接的な攻めが主に調べられていました。この一手に4分を使い、豊島竜王は残り7分。もう長考はできません。対する羽生九段は20分を残しています。

Img_9403_z_toyo01_2 (ひねった手順を決行した豊島竜王)

20201107_102 以下▲3六飛に△2五歩が味のよい突き出しだと調べられ、控室では「妙手順だ」との声が上がっています。どこもかしこも駒がぶつかる難解な局面ではありますが、棋士目線では豊島竜王持ちのようです。

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Img_9735_h1700b (福崎九段は少し離れて、口頭で検討に参加。「プロでも気づきにくいですよ」と、98手目△2六香以下の一連の手順を評価している)

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Img_9733_ob02 (少し前の大盤解説会では、宮本五段が眉間にシワを寄せて考えていた)