2022年6月の記事

2022年6月28日 (火)

Dsc_3452 (終局後、読売新聞の取材に応じる両対局者)

Dsc_3455 (132手目△6六歩の局面で終局。後手は飛車を使った攻めができるようになり、先手がしのぐことは難しい)

Dsc_3464 (制勝の伊藤匠五段。次戦で大橋貴洸六段(4組優勝)と対戦する。通算成績は64勝16敗(未放映のテレビ対局を除く)と勝率は8割に)

Dsc_3476 (敗れた佐々木大地七段。得意の相掛かりを用いたが、ペースをつかめなかったか)

本日の中継は以上となります。本日はご観戦ありがとうございました。

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藤井聡太竜王への挑戦を目指す第35期竜王戦決勝トーナメントの▲佐々木大地七段(5組優勝)-△伊藤匠五段(6組優勝)戦は22時28分に伊藤匠五段の勝ちとなりました。消費時間は▲佐々木4時間59分、△伊藤4時間56分。勝った伊藤匠五段は次戦で大橋貴洸六段(4組優勝)と対戦します。

【第35期竜王戦決勝トーナメント】
https://www.shogi.or.jp/match/ryuuou/35/hon.html

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図は128手目△4五桂の局面。ここで佐々木大七段が時間を使い、双方残り10分を切りました。
戦況は終盤戦。ともに敵陣に駒が侵入していますが、先手は玉と反対側、後手は玉の近く。後手が効率のいい攻めをしています。受けに回っている佐々木大七段ですが、後手の攻めを振り切れずにいます。いい手段を見出せるか。

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図は109手目▲7四角成まで。佐々木大七段が後手の飛車を攻めています。
図から△8一飛▲6三馬△8三飛▲7四馬…と進むと千日手です。千日手が成立するか、どちらが打開するか。残り時間が▲佐々木30分、△伊藤14分という中で大きな分岐点を迎えています。
実戦は△8一飛▲6三馬△8三飛に▲7二馬と佐々木大七段が千日手模様を打開しました。

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図は伊藤匠五段が90手目に△8五金と打った局面。代えて△7六銀と攻めるのは▲7五銀と根元を取られてしまいます。力をためた△8五金に、佐々木大七段は圧力を緩和する▲6九玉の早逃げで対応します。ともに残り時間が1時間を切る中で力の入った応酬を繰り広げています。

Dsc_3132(落ち着いた指し回しを見せる伊藤匠五段)

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図は81手目▲5五銀打の局面。佐々木大七段は厚く指して、後手の攻めを押さえこめればうまいです。伊藤匠五段は攻めをつなげていけるかどうか。
実戦は▲5五銀打に△5三歩。馬取りですが、自分の角の退路を断つ面もあります。引き下がらずにどんどん攻めていくぞという意思が見える手です。現状は先手の受け、後手の攻めの構図で局面が進んでいます。

Dsc_3175(馬を作って手厚く指す佐々木大七段)

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図の61手目▲7六銀の局面で、伊藤五段が23分使って夕食休憩に入りました。消費時間は▲佐々木3時間44分、△伊藤3時間4分。対局再開は18時40分です。夕食の注文は佐々木七段がチキンカツ定食(ふじもと)、伊藤五段は玉子炒飯(紫金飯店)でした。

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図は58手目△6四歩の局面。ここで佐々木大七段は1時間59分の大長考で▲7五歩と後手の桂頭を目標に動きました。後手は△7五同歩なども考えられましたが、伊藤匠五段は読み筋だったのか、わずか1分で△6三銀と応じています。

Dsc_3129(伊藤匠五段は佐々木大七段の長考の手にすぐ対応した)