2020年7月の記事

2020年7月31日 (金)

15戦型は佐藤七段の三間飛車になりました。6七銀型にしてから端歩で様子を見るのは佐藤七段の得意形で、相手の出方次第では雁木系に進めることも多いです。

本局の出だしは、初手から▲7六歩△3四歩▲6六歩△6二銀でした。居飛車党の丸山九段は▲6六歩に△3二飛から相振り飛車にすることも多いですが、2019年になって5局連続で△6二銀から居飛車にしています。

第33期竜王戦決勝トーナメントより、佐藤和俊七段(1組2位)と丸山忠久九段(2組2位)の一戦を中継します。丸山九段は藤井聡太棋聖を破っての登場です。勝者は久保利明九段(1組3位)と挑戦者決定三番勝負進出をかけて戦います。

対局は7月31日(月)、東京・将棋会館「高雄」で10時開始。持ち時間は各5時間。先後は振り駒で決定します。

棋譜・コメント入力は康太、ブログを紋蛇が担当します。よろしくお願いいたします。

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Dsc_0962(対局ボード)

2020年7月27日 (月)

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梶浦六段が▲7七桂(83手目)と跳ねて後手玉の寄せをうかがうと、佐藤九段は長考して△6九と▲同角△7六桂▲同金△5七成銀(88手目)と踏み込みました。

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自玉に危険が迫っている中、駒を渡して寄せ合いを挑むのは驚きの順です。これで後手の勝ち筋に入っているなら、まさに紙一重の見切りといえるでしょう。

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(大胆な順を決断した佐藤九段。その先は勝利につながっているのか。写真は昼食休憩明けの表情)

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猛烈な攻め合いから、梶浦六段が先に王手がかかる形に持ち込みました。と金で攻められて駒の損得がなくなる見込みなので、駒の働きが総じてあまりよくない先手としては、ここでどこまで後手玉を追い込めるかの勝負どころ。佐藤九段は攻めをしのいで反撃の機会を得たいところです。

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(猛攻に出る梶浦六段。写真は昼食休憩明け)

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夕食休憩前の流れからそのままに、激しい攻め合いに突入しています。両取りの▲3二銀(61手目)が痛打に見えますが、△8一飛▲4三銀不成に△3八銀と後手も反撃。部分的には金損の取り引きですが、と金が大きな攻め駒です。横からの攻めになると先手玉は当たりが強く、一方で後手の銀冠が遠い点が自慢になります。先手としては端の位を生かしたいところ。互いに正確な速度計算が求められます。

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(佐藤九段は金損ながらと金を生かした着実な攻めで先手玉の攻略を目指す。写真は昼食休憩明けのもの)

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18時、梶浦六段が20分使って夕食休憩に入りました。消費時間は▲梶浦六段3時間41分、△佐藤九段3時間10分。夕食の注文は佐藤九段がうな丼セット(ふじもと)、梶浦六段がビーフストロガノフ(Le Carre)。対局は18時40分に再開されます。

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佐藤九段が△5五銀と攻勢に出たところに、梶浦六段は▲3五歩(49手目)と手薄になった桂頭を狙って真っ向から戦う姿勢を見せました。後手は桂取りが受けにくく、必然的に決戦に入るものと思われます。この前には、梶浦六段が1筋の歩を突いて▲1五歩から▲1四歩△同歩▲1二歩の確実な攻めを見せ、後手を焦らせていた事情がありました。佐藤九段も桂を狙われるのは承知で銀を出ていて、ここから剛腕を発揮してきそうです。どちらの思惑通りに進んでいるのでしょうか。今後の動向に注目です。