2020年8月の記事

2020年8月25日 (火)

以上で本局の中継を終わります。ご観戦ありがとうございました。
挑戦者決定三番勝負の第3局は9月19日に行われます。

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Dsc_4417(羽生善治九段が勝ち、タイに戻した)

――本局を振り返って。
羽生 序盤は失敗してしまったような気がしました。

――好転したところは。
羽生 終盤はけっこうギリギリの勝負なんじゃないかと思ってやってたんですけど、あんまり読みきれなかったですね。手が広いところなので。ずっと際どいと思って指していました。

――第3局に向けて。
羽生 ちょっと間隔が空きますけど、調整して次に臨みたいと思います。

Dsc_4399(敗れた丸山忠久九段)

――本局を振り返って。
丸山 ちょっと▲7八金(45手目)がまずかったかなと思っていて。あとで▲5七金と出るような構想で組み立てていたので。そのあともミスが重なって、苦しくしたかなと思っていました。

――▲1六歩(65手目)と突いたところは。
丸山 あそこは苦しいと思って勝負、勝負と。やけくそ気味なんですけど。

――第3局に向けて。
丸山 本局はミスが多かった気がするので、次は調整して頑張りたいと思います。

Dsc_4403(感想戦の前に主催者インタビューがあった)

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挑戦者決定三番勝負第2局は羽生九段が勝ち、1勝1敗のタイとしました。終局時刻は21時32分。消費時間は▲丸山九段4時間29分、△羽生九段4時間41分。第3局は9月19日(土)、東京・将棋会館で行われます。

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後手優勢の最終盤です。▲5一角や▲7一角では、△8五歩▲6二角成△8六香と進み、後手は王手と詰めろを続けやすい形です。

先手は何かひねり出すか、▲8六金と辛抱するか。丸山九段は長考に沈んでいます。


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1図で△8六歩は強気な手でした。▲2三歩成で銀を取らせても指せるということですから、「羽生九段はかなり自信を持っていると思います」と八代七段。


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八代七段は2図で「後手に決め手がありそう」と話していました。△5六歩や△8七歩が有力。△7三桂は△8五桂が詰めろにならないので指しにくい手です。実戦は△8七歩で勝負をつけにいきました。


本局の新聞解説は八代弥七段が務めます。79手目▲8七同金の局面から検討開始。さっそく終盤戦の変化が継ぎ盤に並べられました。

Dsc_4384(八代七段は後手側を持ち、攻めを検討している)

Dsc_4390(後手から見た継ぎ盤の変化局面)

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△8六歩(図)は先手からすれば嫌なタイミングで指されました。先手は6八金が盤上から消えて守りが薄くなり、飛車は5七にいて働きが悪くなった直後です。いまが最も不安のある形といえます。後手としては最高のタイミングといえるでしょう。

▲8六同銀は守りがさらに薄くなり、▲8六同歩も△8七歩が嫌みな手。実戦は▲2四歩としましたが、△8七歩成が王手で入り、先手の玉形は大きく乱されました。ABEMAの検討では、後手が押しているように見えました。


Dsc_4284_2(丸山九段は△8六歩を手抜いて勝負した)

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日中は一手一手が重い戦いでしたが、夕食休憩が明けてからは5分で8手も進みました。先手は後手玉周辺を乱して▲2四歩(△同銀は▲5一角)を狙っています。後手は香得で手番を握っています。激しい攻め合いが予想されます。


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図の局面で夕食休憩に入りました。休憩時間は18時から40分間。消費時間は▲丸山3時間2分、△羽生3時間39分(持ち時間は各5時間)。夕食の注文は丸山九段がヒレカツ定食と赤だし(ふじもと)、羽生九段がちらし中(千寿司)。


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△4五銀▲5八金△5四歩で図。後手がじりじりとした展開を打開しました。1歩持てば新たな攻め筋も出てきます。▲5四同歩には△8二角で、飛車取りと△3七歩成が受けづらそうです。


Dsc_4241(羽生九段は△4五銀から△5四歩で打開。運命は勇者に微笑むか)