カテゴリ「第30期竜王戦七番勝負第3局」の記事 Feed

2017年11月 5日 (日)

感想戦の前に、両対局者は大盤解説会場に足を運びました。

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Img_0479 渡辺竜王は73手目に▲5一竜なら千日手にするつもりだったという。

Img_0458 「(本譜は苦しくなったので)千日手を目指すべきだったですね」(羽生棋聖)

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※現地撤収の都合上、感想戦の写真は19時~20時頃を目途に更新いたします。ご了承ください。

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Img_0433 終局直後に両者にインタビューが行われた。

【渡辺竜王の談話】
――2連敗のあとの初勝利となりました。
「とりあえず1つ勝てて、ほっとしました」

――先手の中飛車から相穴熊の展開は想定されていましたか。
「本命ではなかったんですが……。途中からは、しょうがない、しょうがないという展開になってしまって。忙しい将棋になってしまったな、という感じでやっていました」

――封じ手前後の局面はどう思われていましたか。
「かなり手の広い終盤戦だったので、ちょっとわからなかったです。封じ手を見てから、また考えようと思っていました」

――2日目はどのあたりで手ごたえを感じましたか。
「△5二飛が結構ぴったりした手だったので、それで少しよくなった気がしました」

――1勝2敗で次は第4局です。
「少し間が空くので、新しい気持ちでやれればと思います」

Img_0448【羽生棋聖の談話】
――一局を振り返っていかがでしたか。
「初日でかなり激しい展開になりました。ただ、封じ手の局面で、あまり思わしい手がなかったので、ちょっと作戦としてはどうだったかなというところですね」

――その後は激しい展開が続きました。
「いやあ、歩切れですから、ずっとつらいような感じがしてました。ちょっとずつ苦しいかなと」

――第4局に向けての抱負をお願いします。
「気持ちを新たに、次に臨めたらと思います」

108竜王戦第3局は17時7分、108手で渡辺竜王が勝ち、シリーズ成績を1勝2敗としました。消費時間は▲羽生7時間6分、△渡辺7時間7分(持ち時間は各8時間)。第4局は11月23・24日(木・金)に新潟県三条市「嵐渓荘」で指されます。

99時刻はまもなく16時30分を回ります。
控室の検討陣は後手優勢と断言。逆転しにくい展開で、人によっては投了もあり得ると見られています。ただ、いますぐ寄せきれるというわけではないので、後手としては粘りを許さないように指すことが重要になってきます。

Img_0420 対局室は夕日に照らされている。

77図は15時20分頃の局面。
「ここで△5二飛がぴったり」と控室の検討陣。8二の銀取りと、△5七飛成▲同竜△4七角成の狙いです。
「これは急転直下で、形勢に差がつきそうです。ちょっと前まで互角に近いと思っていましたが、△5二飛の局面は、すでに大差で後手よしといってもいいと思います」(阿久津八段)

【15時36分追記】
渡辺竜王が△5二飛を着手しました。対して、羽生棋聖はノータイムで▲9一銀成としています。▲9一銀成まで、消費時間は▲羽生6時間47分、△渡辺6時間9分。

Img_0222 渡辺竜王のシリーズ初勝利が見えてきたか。

Img_0206 ピンチと見られている羽生棋聖。控室の検討を上回ることができるか。

Img_0286 臨江閣の隣にある、前橋東照宮。日光東照宮などと同じ、東照大権現(徳川家康)を祭る神社だ。今日は七五三の参拝客でにぎわっていた。

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Img_0283 臨江閣と前橋東照宮があるのは、大手町交差点。大手町は城郭の大手門付近につけられる地名で、前橋城の大手門がこのあたりにあったことがわかる。

Img_0292 暴れ川で知られる坂東太郎こと利根川。川幅が広いが、前橋のあたりは上流に区分されている。

Img_0296 紅葉は三分ほどの色づきだ。

15時を回り、対局者におやつが運ばれました。2日間を通して、これが最後のおやつタイムです。注文は羽生棋聖が「カーディナル シュニッテン」と「レモンティー」、渡辺竜王が1日目の午後と同じ「クラシックショコラケーキ」と「コーヒー」です。

Img_0415 レモンティーを好む羽生棋聖だが、本局では初の注文だ。

Img_0409 渡辺竜王は前日と同じメニューで押してきた。

7314時35分頃、長期戦が予想される中で後手の△3四金に対して、先手は敵陣に銀を打って桂香を取りにいきました。こうなると長期戦模様から一転して激しい攻め合いが予想されるところ。

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控室には勝又清和六段が来訪した。
「これはもうタダでは済まないですね。△4五歩などからたたきあいになりそうです」(勝又六段)