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2019年12月 8日 (日)

主催紙インタビュー終了後、外に出てフォトセッションが行われました。

13 (鷺舞で写真に収まる豊島竜王)

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19 (対局場の養老館に移動して撮影)

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以上、新竜王誕生翌日のインタビュー、並びにフォトセッションでした。

色紙への揮毫が終わると、主催紙インタビューが行われました。

Photo_7 (晴れやかな表情を見せる豊島竜王)

――一夜明けまして、竜王獲得の感慨は?

豊島 打ち上げがあって、メールもたくさんいただいたてたりで、徐々に実感しはじめました。ただ、夜が遅かったこともあって、まだ誰にも連絡はできていないです。

Photo_8 (12月8日の地元版の読売新聞朝刊に目を通す豊島竜王)

――昨夜はどのように過ごされましたか。

豊島 興奮していてあまりよく眠れなかったです。

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――色紙を2枚揮毫されていましたが、どういう意味を込めたのでしょうか。

豊島 「夢」と「初心」です。いままで書いている言葉ですが、将棋を始めたころの気持ちを大事にしたいということで書きました。

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――師匠の桐山清澄九段にこれから連絡されると思いますが、これまで竜王戦について話はされましたか。

豊島 お互いにそう話すほうではないのですが。最近話したときに、竜王戦について「体調に気をつけて」といわれました。 

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――新聞に自分の記事が載っていることについて、どういうご感想ですか?

豊島 恥ずかしいじゃないですけど(笑)、大きく取り上げていただいてたり、ありがたいです。

(書き起こし=紋蛇記者)
(写真=潤)

豊島新竜王誕生から一夜明けて、改めて主催紙インタビュー、フォトセッションの場が設けられました。

Photo (新竜王誕生から約12時間後、津和野は穏やかな朝を迎えた)

Photo_2 (インタビューが行われる槍術教場に入る豊島新竜王)

Photo_3 (インタビューの前に、色紙への揮毫が行われた)

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2019年12月 7日 (土)

Photo_95 第32期竜王戦は豊島将之新竜王の誕生となりました。第33期はどの棋士が決勝トーナメント出場、そして七番勝負に登場するでしょうか。第33期竜王戦も熱い戦いにご期待ください。

以上で本局のブログ更新を終了いたします。ご観戦いただきましてありがとうございました。

大盤解説会場では引き続き豊島将之新竜王の記者会見が行われました。

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――改めて伺いますが、竜王・名人を保持したことについて、感想を教えてください。

豊島 竜王・名人になられた方は偉大な棋士ばかりですので、自分がここまでできるとは思いませんでした。

――竜王として、10人目の竜王です。

豊島 竜王戦は挑戦者になるどころか挑戦者決定三番勝負も今回が初めてでしたので、竜王になれたのは意外な気がします。

――広瀬前竜王の印象は、シリーズ前と後で変わりましたか。

豊島 戦う前から終盤が正確で切れ味が鋭い将棋という印象があって、それは変わりません。ただ、序中盤でこちらが不利になることが多かったので、そのあたりの研究やセンスのよさを感じました。

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――次の目標は?

豊島 今年は棋聖戦と王位戦で防衛を失敗していて、まだ防衛したことがないので、来年は防衛を目標に頑張っていきたいと思います。

――竜王の奪取を決めたのは角換わりでしたが、名人の奪取も角換わりでした。角換わりへの思いを教えてください。

豊島 角換わりは好きな戦法であるんですけど、名人戦のときは序中盤でうまくいくことが多かったんですが、今回は先手番の角換わりは苦戦になってしまうことが多かったので、段々と厳しくなっているような気がします。

――今期竜王戦の思い、今だからいえることはありますか。

豊島 2つ続けてタイトル戦で負けていたので流れはよくはなかったんですけど、気持ちを切り替えて一局一局、頑張っていこうと思いました。第1局は際どい将棋だったんですけど、先勝することができたので、悪い流れを払拭して竜王戦に入っていくことができたと思います。

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――愛知県一宮市に帰省されたとき、「竜王を獲っても二冠に復帰するだけで、いまの勢力図ではトップではない」とコメントされていました。いま竜王を奪取されて、改めて将棋界の勢力図や立場はどう思っていますか。

豊島 内容的にも際どい将棋が多く、偶然勝てているのか実力で勝てているのか、自分でも分からないところがあります。渡辺明三冠は非常に充実した内容で指されていますので、より一層頑張っていかないと厳しいかなと思っています。

――本局の最終盤、どのような気持ちで指していましたか。

豊島 最後のところはよく分からないまま指していて、その前ははっきり悪いという自覚がありました。でもまだ自分の力では負けを読みきるというレベルではなかったので、あきらめずにチャンスを探していました。

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――津和野の印象を教えてください。

豊島 温かくよくしていただいて、ご飯も美味しいですし、いいところだなと思います。

――食事についてはいかがでしょう?

豊島 2日目のおやつは局面が切迫していて食べられなかったですが、厳しい戦いのなかで食事やおやつで気分転換できたかなと思います。

――シリーズのなかで最も印象の残った将棋や一手はありますか。

豊島 どの将棋も印象に残っていますが、第1、3、5局が際い将棋でした。特に第3局は負けの時間が長く、▲2一角がぴったりで詰めろ逃れの詰めろになったので、その辺りでしょうか。

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――将棋以外でいましたいことは?

豊島 タイトル戦が4月から途切れることなく続いていたので、少しゆっくりしたいですね。竜王戦で第6、7局の会場で祝賀会をやっていただくので、それを楽しみにしています。

――この1年を振り返って、いかがでしょうか。

豊島 4つのタイトル戦に出たのは自分のなかでいちばん多く、課題がたくさん出てきましたし、非常に勉強になった一年で、竜王と名人を獲得することができたので、よかったと思います。

――課題というのは、具体的に何ですか?

豊島 色々ありすぎて。竜王戦に関していえば先手番の序中盤がうまくいかなかったので、そのあたりです。棋聖戦と王位戦では別の課題が見えていますので、それをクリアしていけるようにやっていきたいと思います。

――ファンの方へのメッセージをお願いします。

豊島 竜王戦は10月から始まって、ずっと観戦していただきましてありがとうございます。本当に際どい将棋が多かったんですけど、ファンの皆様に見ていただいたり、応援していただいたのが励みになって結果を出すことができました。今後も精進していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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(書き起こし=紋蛇記者)
(写真=潤)

終局後、両対局者が大盤解説会場に足を運びました。

Photo_77 (大盤解説会場に足を運んだ両対局者)

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――対局中はどのように感じられていましたか?

豊島 少し苦しくなったと思いながらやっていて、最後は何か負け筋があるような気もしていたんですけど、それでもまだ難しそうなのでなんとかチャンスがくるようにと思いながら指していました。

――津和野のファンの方に一言。

豊島 多くの方に最後まで残っていただきましてありがとうございます。今シリーズは本局もそうでしたけど、終盤の難しい将棋が多く、結果が残せたのは幸運だったように思います。今後も頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

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――本局はいかがでしたか?

広瀬 指せるような気はしていたんですけど、相手の玉が妙に粘っこいので、分からなかったです。

――津和野のファンの方に一言。

広瀬 遅くまでご観戦いただきましてありがとうございました。津和野の皆さんには本当によくしていただいて、運営などでも非常にいろいろとやっていただいているんだなと思いながら指していました。結果は残念だったんですけど、またこのような舞台に戻ってこられるように頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

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Photo_75 (勝った豊島名人。史上10人目の竜王、さらに史上4人目の竜王名人の座に就いた)

――早速ですが、初めての竜王に就いたいまのご感想はいかがですか?

豊島 終わったばかりで、まだ実感はありません。

――本局は角換わりになりました。先手番ではすべて角換わりになりましたが、予定でしたか?

豊島 そういうわけではなかったんですけど、戦っているうちにそうなりました。

――封じ手のあたりではどのように感じられていましたか?

豊島 △2三金と上がられて、戦える順があるように思ったんですけど、よく分からないまま指していて、2日目の昼食休憩ではちょっと悪いと思いました。

――そのあと、千日手模様になりました。千日手でもいいと思われていましたか?

豊島 そうですね。失敗したと思っていましたので。

――広瀬竜王が打開されたときはどうでしたか?

豊島 悪いと思っていました。

――逆に、これでちょっといけるかなと思ったところはありましたか?

豊島 思ったよりかは大変なのかなと思っていたのですが、やっぱり自信はなかったです。その後、▲2二飛成がよくなかったかもしれないです。

――勝ちが見えたかなと思ったのはどこでしょうか?

豊島 ▲5一銀と打ったあたりで。

――これでシリーズを4勝1敗で制しました。

豊島 難しい将棋が多くて、終盤もかなり際どい将棋が多かったので、ツキがあったのかなと思います。

――これで竜王名人になりました。過去に羽生九段、谷川九段、森内九段がなられています。

豊島 自分がここまでやれるとは思っていませんでした。

――次の目標はなんでしょうか?

豊島 まだタイトルを防衛できたことがないので、そこを目標にやっていきたいと思います。

――それも含めて、今後どのような棋士になっていきたいと思われますか?

豊島 長くトップでやっていけるように、タイトル戦に出られるように、していきたいと思います。

――ファンの方へのメッセージをお願いします。

豊島 本当にいつも応援していただいて、とても力になっています。これからもよろしくお願いします。

Photo_76 (失冠となった広瀬竜王。終局後のインタビューでは、敗因を淡々と振り返っていた)

――残念な結果になりましたが、本局はいかがでしたか?

広瀬 △2三金など工夫して、見慣れない形になりましたが、ほかの手があまり芳しくないように思いましたので。

――千日手にはせず打開されました。見通しが立っていられましたか?

広瀬 千日手にする順もあったとおもうんですけど、ちょっとやれているように思っていましたので。

――今シリーズを振り返ってみられていかがですか?

広瀬 そうですね、難しい将棋が多く、そんななかで中終盤にこちらからミスをしてしまったのが勝敗を分けてしまったのかなと思います。

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図の局面で広瀬竜王が投了を告げました。終局時刻は19時56分。消費時間は、▲豊島7時間59分、△広瀬7時間59分。豊島名人がシリーズを4勝1敗で制し、竜王位を奪取しました。

133 豊島名人は▲5一銀と銀捨てで寄せに入りました。△5一同玉は▲3一飛以下、詰みがあると見られています。新竜王誕生が近づいたようです。

Photo_74 (豊島名人の右指が高速で動いていた)