2022年12月19日 (月)

221219_024図は10時33分の局面。戦型は横歩取りになりました。佐藤九段は11月17日の本棋戦、羽生善治九段戦でも横歩取りを指しています。ただし、当時は△3三桂と受ける形でした。本局はオーソドックスな△3三角です。

藤井竜王は青野流で対抗。佐藤九段は平成時代によく指された中原囲いにしました。青野流が登場したころは、このような形もよく指されました。少し古い形といえます。図で後手陣を4二玉型にしただけの類型も数多くあります。

Dsc_4048(初手▲2六歩)

Dsc_4064(2手目△3四歩)

(牛蒡)

振り駒は藤井竜王の振り歩先で、結果は歩が5枚でした。藤井竜王の先手で対局開始。藤井竜王は▲2六歩、佐藤九段は△3四歩を指しました。

Dsc_3798 

Dsc_3919 

Dsc_3985(藤井聡太竜王)

Dsc_3946(佐藤天彦九段)

Dsc_3994(振り駒の様子)

Dsc_4023(記録机の背後に上村亘五段。東京の対局立会人を務める)

Dsc_4067

(牛蒡)

第48期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定二番勝負は藤井聡太竜王-佐藤天彦九段戦となりました。2022年12月19日(月)に第1局が行われます。ここまで無敗の佐藤九段は、本局に勝てば挑戦決定。敗者組から勝ち上がった藤井竜王は、本局と第2局(27日)で連勝することが挑戦権の獲得条件です。

対局開始は10時。対局場は東京・将棋会館の特別対局室。持ち時間は各4時間。先後は振り駒で決定します。棋譜コメントは睡蓮、ブログ更新は牛蒡が担当します。よろしくお願いします。

【第1局 棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/48/kiou202212190101.html

【主催=共同通信社】
http://www.kyodo.co.jp/

(牛蒡)

2022年3月20日 (日)

感想戦後に渡辺棋王への囲み取材が行われました。

Dsc_9066 (10連覇の「10」を両手で作る。なお、撮影用のためにマスクを外しています)

Dsc_9080 (ガッツポーズ)


――10連覇の気持ちをお願いします。

渡辺 10連覇のチャンスはもうないと思うので、意識しているところでした。それが達成できたのはよかったです。

―― 永瀬王座とは昨年は王将戦で対戦しました。今シリーズ戦っての印象はいかがでしたか。

渡辺 昨年に続いてのタイトル戦でした。当時を踏襲してやっていました。序盤作戦の幅が広いですし、考えさせられることが多かったです。

―― 現在はAIを使った研究が進んでいると思いますが、序盤作戦という意味でシリーズはどのような印象でしたか。

渡辺 一局ごとに作戦は考えますが、棋王戦は序盤だけで決まらない将棋が多いので、そちらのほうに意識を置いてやろうと考えていました。

―― 3勝1敗でしたが、シリーズ全体としてはいかがでしたか。

渡辺 第1局を先勝できて、そのあとは理想的な番勝負の運びで進められたと思います。

―― 2021年度を戦い終えました。振り返っていかがでしょうか。

渡辺 いろいろありましたが、最後にこうして目標にしていた大きな結果を出せたので、少し休んで来年度に向かっていければと思います。

―― さっそく名人戦の防衛戦が始まります。

渡辺 年明けからタイトル戦が続いて、やはり疲れたところはあります。新年度まであまり時間はありませんが、ひと息つけてから次に向かいたいとは思います。

―― 新年度の目標はありますか。

渡辺 まずは名人戦からですが、そのあとはあまり考えていないですかね。名人戦の結果次第で過ごし方やスケジュールが変わるので、やってから考える感じです。

―― 気が早いですが、棋王戦は羽生善治九段の持つ12連覇が最高です。それについてはいかがでしょうか。

渡辺 それはあまり考えていませんでした。とりあえず大台に乗せたいと思っていました。
タイトル戦の二けた連覇はやったことが少ない記録なので、そこを意識していました。その先は考えていませんでした。

―― 3勝1敗で防衛を果たしました。その勝因をどういう風に考えていますか。

渡辺 番勝負全体でいえば、第1局で先勝できたので、そのあとのプラン立てをしやすくなったのはあります。一局ずつでいえば、いろいろありましたし、第3局はまずい負け方をしてしまいました。そこからうまく修正できたかなというところです。

―― 先月王将を失冠しましたが、今回棋王を防衛したことについてお聞かせください。

渡辺 ダブルタイトル戦の防衛戦で両方負けるとしんどいので、今日防衛できたのはいろんな意味でよかったですね。

―― 渡辺さんは竜王戦で10連覇をチャレンジして失敗しました。そこから10年して10連覇をできた理由をどのようにお考えでしょうか。

渡辺 五番勝負の短期決戦で大変なところは毎年ありましたが、ここ数年は3勝1敗で勝てています。フルセットではプレッシャーもかかって平常心で指すのはなかなか難しいです。第4局まででうまくとれていることが棋王戦ではうまくいっているのだと思います。

―― 前期棋王戦で防衛してタイトル獲得で歴代4位になったときに、獲得数の上3人(羽生善治九段、大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人)とは差があるとおっしゃっていました。中原十六世名人は10連覇をしたことはありませんでした。そうした記録を達成したことについてお聞かせください。

渡辺 中原先生に上回る記録をなかなか持っていません。通算タイトル数を抜くことは難しいので、中原先生がしていないという意味でも、二けた連覇は価値があると思っていました。この記録は年齢的に今後チャンスはないので、今シリーズは意識していました。達成できてうれしく思います。

―― いままで渡辺先生の記録、27歳で逃した記録を30代で達成したことは、強くなったということでしょうか。

渡辺 強さは変わらないです。でも、同じのを10連覇は、その間にいいときも悪いときもありますし、戦術の変化もあります。そうしたものを対応することの難易度は高く、価値があると思います。

―― あと3年ほどで40代になります。40代で目指している記録はどこを予定していますか。

渡辺 考えていた達成できそうなものは、去年9連覇してから10連覇を意識していました。あとはタイトル戦に出ているうちは一つ一つという感じですね。

―― 郷田棋王から奪取して、そうそうたるメンバーに勝って10連覇。ひと言でうれしいとか安心したというレベルではないと思います。

渡辺 20代後半からはいい時期も悪い時期もあるので、いろんなことに対応できたことがいちばん価値としてあると思います。

Dsc_9090 (取材に応じる渡辺棋王)

本局の更新は以上となります。ご観戦くださりありがとうございました。すでに第48期の予選が進行中です。誰が挑戦者になるか、渡辺棋王の連覇記録が更新されるのか、興味の尽きない戦いにご注目ください。

(銀杏)