2022年2月 6日 (日)
ここまでの流れ
56手目△8三飛まで進んでいます。森内九段にここまでの戦いの流れを聞きました。以下は森内九段の解説です。
永瀬王座が角換わりを志向したのに対し、渡辺棋王が10手目△4四歩で雁木を目指すという出だしでした。9手目▲8八銀(近年は▲6八銀が多い)から19手目▲6八角は、古くて新しい構想でした。23手目▲4六角が永瀬王座の用意した形だと思います。
▲4六角には△7三桂が普通ですが▲7五歩の仕掛けもありえます。渡辺棋王は危機を察知して24手目△6四歩と(永瀬王座の研究を)外し、新しい戦いに入りました。▲6四同角で1歩得なので永瀬王座が少し得をしたと思いますが、渡辺棋王は駒を活動的に使って悪くないと判断されています。
37手目▲6六歩と突いたからには、39手目▲7五歩は指さずにゆっくり指すなど、ほかにもいろいろな構想もありました。本局は方向性の難しい将棋になっています。52手目△8八歩では△7五歩もあったと思います。△8八歩以下は千日手の可能性もありましたが、永瀬王座が打開しました。ここからまた戦いは続きます。






52手目△8八歩の局面、▲8八同金☖8六飛☗8七金☖8三飛☗8六歩☖8八歩……という千日手の筋が見えていました。後手番で千日手は十分な成果です。
実戦は▲8八同金☖8六飛に▲6七金と先手が打開しました。▲6七金は「前向きな手」との評判です。永瀬王座は上着を脱ぎ、ワイシャツ姿になりました。












図の局面で12時になり、渡辺棋王が33分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬1時間16分、△渡辺1時間21分(持ち時間は各4時間)。昼食は両者とも「旬彩御膳」。対局は13時に再開されます。








