藤井棋王は▲5四桂と桂を取りました。自玉の危険度を把握し、角の利きが通っても問題ないと読みきっているかのようです。
(武蔵)
2025年2月 2日 (日)
挑戦者、一分将棋に突入
2枚の角を頼りに
路面電車
藤井棋王、秒読みに
増田八段も残り時間が1時間を切る
はりまや橋とアンパンマン
国道33号を東に歩き続けると、高知駅に続く大通りと交わります。その一角にあるのは、高知の名所のひとつ「はりまや橋」。高知市のシンボルとして知られる朱色の橋で、その周辺は公園として整備され、休憩スポットにもなっています。ただ、昨年10月から今年3月8日(土)までは復旧工事のため、朱色の橋は見られません。見物にこられた観光客からは、残念がる声も聞かれました。
(はりまや通りをまっすぐ北に進むと、1キロほどで高知駅に着く)
(本来なら朱色の美しいこぢんまりとした橋がかかっている)
(アンパンマンのキャラクターは、日本だけでなく世界の子どもたちから愛される)
(高知駅に着くとすぐにアンパンマンがお出迎え)
(武蔵)
序盤は早く指し進めていた増田八段でしたが、上図で藤井棋王よりも先に一分将棋に突入しました。局面は先手が指しやすいと見られています。飛車に当てて馬を作り、▲3四飛に△8二馬と引きつけて粘りの姿勢を示しました。
増田八段は2枚の角を頼りに、一点集中で攻め続けます。△5四桂と打ち、▲同桂は△7七角成以下、先手玉は寄り筋に入ります。そこで、藤井棋王は▲6三歩成と捨てました。歩が切れれば▲6七歩の受けが利いて、後手からの攻めを食い止められそうです。


時刻は18時を回りました。神経戦の状況から、局面が動き始めました。3五にいた角を1七に引き、控室の森九段は「歩があれば」といったところで、△3五桂がモニターに映りました。以下▲同角△同銀▲同飛△8八角が示されましたが、▲同金△同歩成▲6八玉(変化図)の進行は後手の攻めが重く、対して先手には▲4五銀や▲4五桂が残って、先手に楽しみが多い局面といえそうです。
桂打ちに藤井棋王は時間を使い、残り時間は10分となりました。
△8七歩は陣形を乱す手筋の垂らしで、この手の考慮中に増田八段は残り時間が1時間を切りました。先手が放置すれば、玉の逃げ道を制限できます。▲8七同金以下、△4四角▲同角△同飛▲6六角△4七飛成▲同金△3八角(変化図)が進行の一例。
先手の玉形を乱しての両取りは、より厳しくなりそうです。実戦は△8七歩を放置して▲3九飛と寄りました。変化図の両取りの筋を消して、▲8七金と歩を払いやすくした意味がありそうです。