2012年2月25日 (土)

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「打った。▲3七桂に△4七飛成の筋で受からない。これは終わりだろう」(棋譜コメントより、大内延介九段)

続けて大内九段は「棋王戦最短手数記録になるのでは」。

最近の棋王戦五番勝負での短手数局と言えば、3年前の第2局▲久保利明八段-△佐藤康光棋王戦の57手があります。
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この対局は図の▲7五飛で久保・現棋王が升田幸三賞を受賞した一局として知られています。ちなみにこの対局も北國新聞会館での対局で、本局と同じ駒が使われていました。

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(勝利目前、郷田九段)

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(しのげるか、久保棋王)

(翔)

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井道「形勢はいかがでしょうか」
山崎「どちらかを持てと言われれば……居飛車ですかね」
井道「では、皆さんにも聞いてみましょう」

井道「後手を持ちたいと思う方は?」
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井道「では先手を持ちたい方は?」
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山崎「やはり後手を持ちたいという方が多いですね。私も後手の駒得が大きいのではないかと思います」
井道「私は振り飛車党なんですが……」
山崎「が?」
井道「振り飛車なのに飛車がいない……(場内笑)。飛車の魅力が大きいので、郷田先生のほうを持ちたくなっちゃいますね」

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山崎「△5五銀ですか。激しくなりそうですね」
井道「攻め合いになりそうですか?」
山崎「久保棋王のほうは、自分だけ攻める展開にしたいんです。攻め合いは飛車・飛車・銀、そして持ち駒の角と攻め駒が多い後手が有利ですね。自分だけ攻める展開にしたいのですが……」
井道「しかし▲6三馬があるのですが、受けずに行きましたね」
山崎「受けにくかったんでしょうか。たとえば△5二金右だと(飛車の横利きが止まるので)▲8二歩から桂香を拾われます」
井道「△5五銀にはどういう狙いがあるのでしょうか」
山崎「次に△4六歩と打つということですね。▲3八銀引に△1五角▲3七桂△3六飛や、△6九角~△4二飛寄と足す攻めもあります。先手は▲6五桂~▲5三桂成を実現したいのですが」
井道「次の手はいかがですか。先ほど▲4五歩△同飛▲6三馬とおっしゃっていましたが」
山崎「でも歩を渡してしまうので、考えますね。▲4六歩は△同銀▲同銀△同飛▲4七歩△6六飛で、▲6三馬と入れなくなります。今日冴えている井道さんはいかがですか。次の一手のあとも当たってばっかりですし」
井道「えーっと……。笑われてもいいのであれば……あ、いやいや」
山崎「いえ、今言おうとしたのを」
井道「▲3七玉」
山崎「……はぁ、うん」
井道「じゃあ、どうやったら負けると思いますか」
山崎「どうやっても負けると思います」
井道「だから言いたくなかったんですよ!」
山崎「すみません。じゃあ、△6四角はどうでしょう」
井道「それは▲2八玉と引いて……あ、引けない。金を取られるんですね」
山崎「そうですね。△6四角▲2八玉は△4六銀▲同銀△同角▲3七銀△同角成▲同桂△4九飛成(参考図)と金を取られます」

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井道「と言っている間に▲7六馬でした!」
山崎「あれ? これは大丈夫なのかなぁ。馬取りですが、さっきの△4六歩▲3八銀引△1五角▲3七桂△3六飛で、飛車を逃げながら攻めに使えるので。これは百も承知と言うことなんでしょうが……」

(翔)

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(15時40分頃の控室。各社、淡々と作業を進めている)

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(大内九段がひとり継ぎ盤に向かっている)

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(上図から▲4七歩△6六飛▲6七歩△3六飛寄▲3七歩△3五飛引▲9六馬と進め「これでどうかなあ」)

(翔)

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(42手目の局面で「次の一手」が出題された。43手目▲6六歩は井道女流初段が予想した手だったが、自信なさげに挙げたためか、正解者は十数名。ちなみに山崎七段の候補手2つが40名ほどで「その他」が99名。「我々の信用は……」と苦笑いする山崎七段)

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(井道千尋女流初段)

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(ある変化で井道女流初段が「歩を打って~」と言うと「ここ、ないですよ」と山崎七段が茶化す)

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(席が増設されている)

(翔)