2009年2月 8日 (日)

 対局前日は、恒例となっている前夜祭が宿泊先ホテル(ホテルニューオータニ高岡)で18時より、開催された。地元の将棋ファンとの交流を深めるのにも良い機会で、両対局者も当然参加する。
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 検分とは、対局前日に使用する将棋盤や駒を実際に対局者が見て、その感触などを確かめる作業のこと。その際に、対局場の雰囲気なども併せて確かめる。
 例えば、座布団の厚み、日差しがどの程度部屋に入ってくるか、或いは、盤の厚みがあり過ぎて、高さが合わないなどといったことも、まれにある。勝負の機微とは、それだけ微妙なものなのだ。今回使用する盤と駒は、関西将棋会館から送ったものを使用している。
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18_2   手数は、比較的早く進んでいる。さて、18手目、久保八段の指し手が一つポイントとなりそうだ。ここで、本譜では、44歩と指した。この手は、少し意外な手で、ひと目、53銀としたいところだそうだ。後手としては、53銀から、その銀を54、もしくは44銀と使っていく構想が自然であるとのこと。この44歩は、本対局の序盤のちょっとしたキーポイントとなるかもしれない。

Dsc_0015  さて、北陸というと雪のイメージがあるが、来てみると、雪もなく、寒さも想像しているよりも厳しくはなかった。第1局を担当の北日本新聞社の担当の方に聞くと、ここ数年、雪は、積もるような大雪が年2~3回降る程度だそうだ。写真は、宿泊先ホテル(ホテルニューオータニ高岡)の窓から撮影。

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 第1局は、公開対局である。公開対局自体、そう頻繁に行われるわけではないので、プロのタイトル戦がどのように進行してゆくかを見るには絶好の機会と言えよう。普段は、見ることのできない、プロ棋士の所作や仕草、そして何よりも両対局から発する、オーラを肌で感じることができるだろう。真剣勝負ゆえ、それには圧倒されるような重圧感がある。ぜひ、こういった機会に皆様には、参加、体験して頂きたく思う。
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Dsc_0014_3  今回の対局場となる小矢部市には、上越新幹線に乗車後、越後湯沢で乗り換えはくたか8号で高岡市まで行くことになる。さ らに、会場の「クロスランドおやべ」には、車で30分程度かかる。写真は、越後湯沢にて。スキーでも有名な土地だけに、雪が積もっている。

 五番勝負第1局がいよいよ始まった。振り駒。記録係りの都成竜馬三段が佐藤棋王側の歩を五枚とって、振り駒用に用意した布に散らばす。先手・後手を決める将棋方式だ。結果、「歩」が五枚で佐藤棋王の先手となる。一枚は、今回、公開対局となっている壇上から、勢い余って落ちてしまったが、振り駒に影響はない。

 佐藤棋王が、初手76歩、挑戦者の久保八段が34歩。その後、久保八段のゴキゲン中飛車とし、対する佐藤棋王は、船囲いで対抗する形となった。
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 棋王戦五番勝負が2月8日に開幕となる。開幕の第1局は、富山県小矢部市での対局となる。今回の五番勝負は、第2局が石川県金沢市で行われることもあり、いわば、1局、2局と北陸シリーズとなった。この時期この季節の北陸は、多くの見所となにより食べ物も美味しい。

 1月末に、富山で大雪だったそうだ。つい先日に、女流名人位戦の第1局が富山県黒部市で行われたが、大雪のため飛行機が欠航。急遽、対局者一同、電車に切り替え現地に赴いた、ということがあったので、天候も心配されたが、天気も良くまずはひと安心。もっとも、今回、関係者一同、電車での移動であったので、欠航というリスクは少なかった。
 東京組、大阪組で別々に現地入りする。佐藤棋王は、東京組。一方の久保八段は、関西所属の棋士ということで、大阪組。とりあえず、宿泊予定の高岡市到着は、共に、14時少し前となる。私たちも、対局者と同じ東京駅発10時12分の上越新幹線に乗る。写真では、「自由席」となっているが、因みに、対局者等は、グリーン席だ。Dsc_0002_3 Dsc_0011_2