対局者が退場後、田中寅九段、稲葉八段、村田女流二段が、明日の対局の見どころ紹介を行って、お開きとなりました。
(立会人の田中寅九段)
「対戦成績は渡辺棋王の2勝13敗。何でそうなるのか、どれも競っている将棋だと思うので、何かきっかけがあればと本人は思っていると思います」
(現地大盤解説会解説者の稲葉八段)
「藤井五冠は今年度、先手で勝率9割5分以上も勝っています(未放映のTV棋戦を除き、28勝1敗、24連勝中)。第1局は振り駒の結果、藤井さんの先手で、非常に難解な将棋だったのですが、藤井さんがほんの少しの先手番のリードを保って勝ちきった将棋でした。今局は棋王が先手番です。このシリーズを取るためには先手番で絶対に勝たないと、という意味で明日は渾身の研究を披露していただけるのではないかと思います」
(解説会の聞き手を務める村田智穂女流二段)
「今回は先後が決まっています。戦型予想をお願いします」
稲葉八段
「渡辺棋王はいろいろ指されますが、傾向としては矢倉を勝負どころで使っている印象ですが、相手にも狙われそうです。相掛かりで、いちばんはやっているような形ではなく、実戦例が少ないようなところを持ってくるんじゃないかなと思います」
田中寅九段
「私の場合は戦型予想は非常にしにくいんです。渡辺さんは非常に研究家ですので、何か見つけたものにするんじゃないかと思うのですが、何を見つけたかは分かりませんので。期待としては古い矢倉になってほしいなと、それがいちばんなじみがあるので。でも、分かりません」
(書き起こし=飛龍、撮影=武蔵)