(棋王位9連覇を達成し、タイトル獲得期数を歴代単独4位の28期とした渡辺棋王)
◆渡辺棋王の談話
――本日の対局は中盤からリードする展開だったかと思います。振り返って、いかがですか。
渡辺 攻めがつながるかどうかという展開だったんですけど、4八に角を成れた辺り(64手目△4八角成)で、攻めとしてはつながってるかなと思いました。
――勝利を意識したのはどの辺りですか。
渡辺 △7六飛(74手目)と浮いて、△5六歩(76手目)と打っていった辺りで、間違えなければ勝てるとは思ってたんですけど、入玉とかには気をつけようと思ってました。
――今シリーズを振り返ってください。第1局で敗れて、ちょっと厳しいのかという雰囲気もあったと思いますが、ご本人としてはいかがでしたか。
渡辺 長手数の将棋が多かったので、第2局からは中終盤が長くなったときに競り負けないという意識で戦っていました。
――9連覇という数字についてはいかがですか。
渡辺 長く持たせてもらって、自分の過去の記録(竜王位9連覇)と並ぶところまでこられました。それは意識していたことなので、達成できてよかったです。
――タイトル獲得期数は、谷川浩司九段の27期を上回って、28期になりました。
渡辺 一概に比べられることではないんですけど、小さい頃から目標にしていた谷川先生を上回ることができたというのは、非常に誇らしいです。
◆糸谷八段の談話
――本局は角換わり戦でした。序盤はいかがでしたか。
糸谷 想定していた形の一つだったんですけども、角を打った(43手目▲8三角)辺りがどうだったかですね。考えないと分からないですけれども、馬を作った位置が悪かったかもしれないです。
――中盤からは苦しい内容でしたか。
糸谷 自信がないということもあるんですけど、どう指すのか分からない展開にしてしまいました。
――シリーズを振り返って、いかがですか。
糸谷 序盤、中盤で悪くした将棋が多かったので、そこが反省点ですね。持ってきた作戦から外れた瞬間に悪くしている将棋が多かったので。
――シリーズを戦っての渡辺棋王についての印象を教えてください。
糸谷 本局もそうなんですけど、全体として堅い将棋というか、非常に玉周りが堅くて、なかなか崩すのが難しかったです。
(睡蓮)