2019年12月
感想戦(2)
感想戦(1)
終局直後
(敗れた佐々木五段。序盤で守勢になり、力を発揮できなかった)
(本田新五段が棋王戦に参加したのは今期が初めてで、参加1期目にしてタイトル初挑戦を決めるのは初の快挙。また、屋敷伸之九段に次いで、デビューから史上2番目の早さでタイトル挑戦となった。多くの報道陣が本田新五段にカメラを向ける)
【本田新五段の談話】
――お疲れさまでした。まず、本田新五段から伺います。初参加の棋戦でいきなり挑戦というのは初めてのことですが、感想はいかがですか。
本田 記録として残るならうれしいですし、ここまでやれるとは思わなかったので、結果が残せてうれしいです。
――プロに入って1年4か月で挑戦というのは史上2番目の記録ですが、その速さについてはいかがですか。
本田 あまり意識はしていなかったですけど、結果として速く挑戦できたのはうれしいです。
――今日の対局を振り返ってください。ご自身としてはうまく指せましたか。
本田 中盤まではうまく指せたと思いますが、よくなってからミスがあった気がする局面があると思います。ただ、全体としてはうまく指せたんじゃないかなと思いますね。
――勝ちを意識したのは?
本田 △6五歩と突き出したところです。一手勝ちできそうな局面で、自玉が堅くて速度計算できそうなので、はっきり一手勝っている気がしました。
――予選からここまで振り返っていかがでしょうか。
本田 最初は予選を抜けるというのも厳しい実力だったと思いましたし、予選を抜けられて本戦に出られてラッキーぐらいだったんですけど、本戦でも勝ちが重なって挑戦というのが目に見えるようになってきて、ここまできて挑戦できるとは思わなかったです。
――次は渡辺明棋王と五番勝負です。
本田 勝負になればという気もしますので、よい将棋が指せれば。ボロボロになって終わるのでは、ちょっと情けないので、よい勝負ができれば。
――タイトル戦という大きな舞台が決まって、意気込みはいかがですか。
本田 注目される舞台ですし、情けない将棋を指さないようにという感じです。
【佐々木五段の談話】
――今日の将棋を振り返っていかがですか。
佐々木 序盤からポイントを奪われてしまって。先手としては不満で、バランスを保つのがとても難しい将棋になってしまったかなと。
――第1局から望みをつないでの第2局でした。
佐々木 初めての舞台で、あとひとつで挑戦というところだったので、結果が伴わなかったのはとても残念です。今日の内容だと、挑戦するに値しない内容だったかなと思います。
(紋蛇)
本田四段が挑戦権獲得、五段に昇段
106手で、本田四段が佐々木五段をくだしました。終局時刻は17時39分。消費時間は▲佐々木3時間42分、△本田2時間32分。勝った本田四段は、渡辺明棋王への挑戦権を獲得、同時に五段に昇段しました。本田新五段が棋王戦に参加したのは、今期が初めて。参加1期目にしてタイトル挑戦を決めるのは、史上初の快挙です。
第45期棋王戦五番勝負は、2月1日(土)に石川県金沢市「北國新聞会館」で開幕します。
(睡蓮)













△5四歩が冷静な好手です。▲4四角は△3三銀▲7一角成に△6五歩で香が使えますし、▲5四同角成は△4三金打から厚く受ければ、先手の大駒をいじめることができます。
△6一香が好手との評判です。▲5五銀とかわすと△8七馬▲8三歩△同飛▲8四歩に△7七馬が銀取りで、8筋を守りきれません。
▲1七桂に、本田四段は△9五歩から襲いかかりました。
△8九銀が強手で、▲8八金△9八銀成▲同金△9五香と銀香交換ながら、端を突破しようとしています。
本田四段は馬も端に集中させますが、▲5八玉が受け流す方針で簡単ではありません。しばらくねじり合いが続きそうです。

図は15時10分ごろの局面です。控室に来訪した瀬川晶司六段は「後手持ち」と話しています。馬の存在が大きいようです。