両対局者は壇上で、司会者の質問に答える形で、明日への抱負を語りました。
―― 富山県の印象について。
渡辺棋王
魚津市は今回が初めてですが、富山県は何度か来たことがあります。富山県は食べ物がおいしいですよね、特にホタルイカなど。なにもつけないであれだけおいしい食べ物もないのではと思います。以前にアルペンルートにも行ったことがあるのですが、素晴らしい景観です。食べ物のほかにも豊かな自然があって、旅行するには素晴らしい場所だと思います。
広瀬竜王
私は富山県に来るのは初めてなのですが、やはり海の食べ物がおいしいという話を聞いておりましたので、今回も楽しみにしておりました。私は札幌に住んでいたこともあるのですが今日のような雪景色を見ていると、当時のことを思い出します。いつかは観光でも来たいと思っております。
―― お互いの印象については。
渡辺棋王
以前に広瀬さんとは一緒に海外にサッカーを見に行ったことがありまして。そのとき結構危ない目にもあって、私は帰りたいと思っていたのですが、広瀬さんは堂々とされていました。冷静で何事にも動じない性格が最近の将棋にも長所として表れていて、広瀬さんの好成績につながっているのではと分析しています。
広瀬竜王
やはり海外に一緒に行ったとき、旅行の計画をしっかりと立てられていて、頼りになる先輩だと思いました。私と違い、何事にもしっかりと準備をされていて、それが将棋のほうにも生きているのだと思います。
―― 明日の意気込みをお願いします。
渡辺棋王
棋王戦は先週開幕したばかりですが、続けての2局目となります。富山県での開催は5年ぶりということで、明日の対局も5年分楽しみにしていらっしゃったと思いますし、その期待に応えなければと思います。この棋王戦に相応しい将棋が指せるよう、頑張ります。
広瀬竜王
五番勝負は先週開幕したばかりなのですが1局目に負けてしまいまして。この第2局も負けてしまうといきなり追い込まれてしまうので、早くも正念場を迎えたような気持ちです。富山では5年ぶりの棋王戦開催ということで富山の将棋熱の高まりを感じますし、全国の将棋ファンにも注目していただいていると感じていますので、その期待に応えられるような熱戦をお見せしたいと思います。
記念撮影後、両対局者は明日に備えて会場をあとにしました。
(書き起こし=康太、写真=吟)