本局は千田六段の初手▲7八金からスタートしました。
タイトル戦で初手▲7八金が指されたのは、1982年の第21期十段戦七番勝負第2局▲中原誠前名人-△加藤一二三十段(肩書はいずれも当時)戦のみです。
千田六段は初手▲7八金を、一昨年のNHK杯戦・糸谷哲郎八段戦でも指していました。ほかに▲5八玉(今年1月の棋聖戦・谷川浩司九段戦)や▲3八銀(昨年3月の棋王戦・船江恒平五段戦)でも採用しています。
渡辺棋王はやや手を止めてから△8四歩と飛車先を突きました。△7七角成で、戦型は角換わりになっています。
4八金・2九飛は流行の布陣で、千田六段が昨年のNHK杯決勝戦で採用してから爆発的に増えました。渡辺棋王も△8一飛から先手と同じように攻撃態勢を構えています。
10時40分ごろの局面は、▲4六角に△6四角と合わせたところ。控室の青野九段、森下九段は「ほとんど見たことがない。力戦形」で意見が一致しています。序盤から構想力を問われることになりそうです。