▲6四桂の王手に佐藤八段が△6二玉(図)と寄ったところで、渡辺棋王の手が止まりました。16時45分の時点で、渡辺棋王の考慮時間は32分ほど。現地では▲8三角△6四歩▲6一角成△同玉(A図)で寄せを目指す順が調べられています。
A図から控室の橋本八段は▲7二金、大盤解説会の村山七段は▲6三桂を示していました。後手玉は怖い形ですが、△5二玉~△6三玉で上に逃げる含みがあり、先手も寄せるのは簡単ではなさそうです。橋本八段は「後手がよさそう」、村山七段は「先手がよさそう」と、見解が割れています。
ちなみに、後手からは△3七角!という狙い筋があります(一例=B図)。
詰将棋のような焦点の捨て駒。B図で▲3七同銀は△6九金▲4八玉△6八竜▲5八歩△5七角▲3八玉△2七銀で詰み。ただ、▲3七同桂ならば詰みはない模様。すぐに決行するのはうまくいかないようです。
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