井道女流初段「先生! 飛車を打ちましたよ!?」
橋本七段「飛車!? これは△3二歩としたら何があるんでしょう? うーん…いやぁ…」
(しばらくして)
お客さん「先生、△3二歩に▲2八飛成としたらどうなるんですか?」
橋本七段「ほぉ、飛車成りですか。しかしそれは…あ、いやそうか。全部取れるんですね。△7九金▲同金△9九銀▲同玉△7九飛成には▲8九金。なるほど。こんな手があるんですね」
井道女流初段「佐藤先生らしい手ですね」
橋本七段「え? そうですか?」
井道女流初段「すっ、すみません」
橋本七段「いえいえ。でも佐藤先生らしいというよりは淡路先生(淡路仁茂九段)らしい手ですね。不倒流。先ほど▲2八飛成と言われた方はどなたですか? プロ編入試験を受けませんか?(笑)」
橋本七段「では△3一金と寄るのはどうでしょうか。▲5三桂が気になりますが」
(控え室にはないが、大盤解説会場には対局室を横から見るモニターが設けられている。緊張感漂う終盤戦)
(翔)