対戦成績は福間51勝、西山44勝。福間女流王座の不戦敗が4局あります。五番勝負がフルセットまでいけば勝敗上は100局に達します。もし西山女流二冠が現在進行中の女流名人戦(現在リーグ1位タイ)やマイナビ女子オープン(現在ベスト8)で挑戦者になれば、来年のうちに百番指し(棋譜の残る対局として100局)を達成しそうです。
直近10局は、福間女流王座から見て○●○○●○○●●●(右が最新)の5勝5敗です。後手側が7勝3敗と勝ち越しています。4~6月の第18期マイナビ女子オープン五番勝負は福間女流王座が奪取、8~10月のヒューリック杯第5期白玲戦七番勝負は西山女流二冠が防衛しました。
二人のタイトル戦は過去に21回あり、西山10勝(奪取4防衛6)、福間11勝(奪取5防衛6)と拮抗しています。以下にまとめました。冠数は第1局開催時のものです。2019年に清麗戦が始まって七大タイトルに、2021年に白玲戦が始まって八大タイトルになりました。
2025年10月22日 (水)
似て非なる金無双
図は11時7分の局面。後手はオーソドックスな金無双に構えています。一方の先手も金無双風ですが、5八飛と6八金の並びが異様です。2八銀・2九桂・3八玉・4八金・5八飛・6八金の6枚の配置で部分検索したところ、データベース上の前例は2局しかありませんでした。後手番として検索しても数例しかなく、かなり凝った駒組みです。福間女流王座の中飛車作戦は柔軟かつ独創的で、今回も新たな型を披露しました。
一般的な金無双は、玉のコビンが急所のひとつで、△4六歩や▲6四歩が刺さることがあります。特に今回の先手は左金が4筋に利いていないため、コビンの弱さが気になります。▲5七金左と使っていくことになるでしょうか。西山女流二冠としても、あまり相手をしたことのない形でしょうから今後の方針に悩むかもしれません。



図は10時40分の局面。戦型は先手中飛車、後手向かい飛車で、相振り飛車になりました。16手目△6二玉までは二人の前例があります。2024年8月31日のヒューリック杯第4期白玲戦七番勝負第1局です。その将棋は152手で後手が勝ちました。本譜は17手目▲6六角で前例がなくなっています。35手目▲8四歩から△同歩▲同角△8三歩▲6六角で図の局面になりました。

