2025年10月22日 (水)
倒しにいく
先手優勢
うまい手渡し
▲8四歩△同歩▲8三歩で図の局面。▲8四歩△同歩は飛車を狭くする意味で自然。そして▲8三歩がさらに好評を博す一手でした。「うまい手渡しだと思います」と屋敷九段。
△8三同玉は▲7四銀△同歩▲7一飛があります。かといって、玉近くの垂れ歩を放置するのも気持ち悪いもの。後手は指し手の悩ましい局面を迎えています。あまり激しく動くと、それこそ8三歩を生かして反撃されそう。じっとしているわけにもいかなそうです。先手が攻めてくる可能性もありますし、▲3七銀でも差が開くかもしれません。西山女流二冠の60手目△3六歩はさすがの一手でしたが、福間女流王座の対応も見事です。
7七にいた桂を後手が取り、後手玉を押さえつける駒が一つ減りました。藤森五段は図で▲7一竜を予想していますが、「はっきりと寄り、という感じはしません」と話しています。福間女流王座の踏み込みが功を奏するのか、西山女流二冠がしのぐのか。まだ結論を出せる段階にはありません。彼我の玉形差から形勢は先手優勢と思われますが、左辺の攻防はギリギリの戦いです。まぎれる可能性を残しています。残り時間は▲福間25分、△西山32分。

図は先手の分岐点でした。ひとまずは▲6五桂と駒を逃がし、じっくりと勝ちにいく手もあったと思います。実戦は▲7五桂!△同歩▲6五角でした。後手玉を倒しにいく意思を示した順です。勝てば勝着といえるでしょう。ただ、寄せが決まらないとまぎれる可能性もあります。そのリスクを承知で福間女流王座は踏み込んでいます。
▲飛車角△金銀の交換で先手が駒得になりました。2一竜の存在も大きく、形勢は先手優勢です。図の△8六銀は、後手が粘りに出た手で、入玉模様を目指したものと思われます。福間女流王座は優勢から勝勢に持ち込むべく、時間をかけて読みを入れています。残り時間は▲福間50分、△西山1時間2分。
