金銀4枚の要塞をどう攻略するか。里見女流王座は▲5三歩(49手目)で応手を尋ねました。金銀の連結を重視するなら△4二金寄ですが、加藤女流三段は△4三金を選択。以下▲6三馬に△4二飛と、飛車を逃げるスペースを用意しました。
検討陣の第一感は「後手よし」。ところが、▲5二銀と食いつかれると意外にすっきりしません。手堅く受けるなら△5一歩ですが、▲4一銀成△同銀▲8七金△8九飛▲8二歩△8七飛成▲8一歩成△8八竜▲4九金(A図)は「大変だ」と神谷八段。菅井八段は「むしろ自信ないかもしれない」と首をかしげます。
戻って、▲5二銀には△3一金とかわしてどうか。いずれにせよ、振り飛車にも楽しみのある形で、頑張りがいのある展開になってきたといえます。里見女流王座、さすがの手腕です。