2019年7月 9日 (火)

Imgp1685 (昼食休憩中の銀沙)

Imgp1679 (昼食休憩中の盤面。手前が先手の香川女流三段)

Imgp1681 (先手の穴熊はまだ未完成)

Imgp1682 (後手の穴熊はハッチこそ閉まっていないが、金銀4枚が密集している)

Imgp1687 (指し手を記録する棋譜用紙)

※この記事の写真撮影はPENTAX K-3を使用しました。

20190709c12時、この局面で香川女流三段が49分使って昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲香川1時21分、△渡部37分。昼食の注文は香川女流三段がチキン南蛮(鳩やぐら)、渡部女流三段がビーフストロガノフ・ご飯少なめ(Le Carre)です。対局は12時40分に再開します。

20190709b11時20分、図の局面に進んでいます。渡部女流三段が先手の▲7五歩をとがめるべく動きました。△7六歩の角取りを見せながら、飛車の横利きが5筋まで通っており、盤面を大きく使って応戦します。
対して先手は▲5四歩と角筋を通したので、▲4五歩と攻めることになるでしょうか。ただ、激しくなると2枚の金が離れているため、先手は細心の注意が必要になってくるでしょう。

Dsc_3868 (4枚の穴熊を生かして盤面を広く使う渡部女流三段。写真は朝の様子)

20190709a10時40分、局面は図のように進みました。香川女流三段が中飛車に構えると、後手の渡部女流三段が得意の居飛車穴熊で対抗しました。香川女流三段も穴熊を目指し、相穴熊の戦いになっています。図は▲2八銀と閉まらずに▲7五歩と突いたところです。後手の右桂の働きを押さえながら▲5六飛~▲7六飛と石田組にする含みもあります。積極的な動きで主導権を握ることができるでしょうか。

Dsc_3889 (積極策に出た香川女流三段。対局開始前の様子)

第9期リコー杯女流王座戦(株式会社リコー主催、日本経済新聞社特別協力)本戦1回戦の香川愛生女流三段-渡部愛女流三段戦をお送りします。対局は7月9日(火)10時から東京・将棋会館で行われます。持ち時間は各3時間(チェスクロック方式)。切れたら1手60秒未満での着手となります。振り駒の結果、歩が3枚出て香川女流三段の先手番に決まりました。
本局の中継は琵琶が担当します。よろしくお願いいたします。

2019年7月 1日 (月)

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――対戦相手の印象
藤井 水町さんはおそらく、アマチュア大会のときからいちばんよく対戦している相手です。対抗形になることは分かっていましたけど、彼女の居飛車はバリエーションが豊富なので、形は絞れていませんでした。力戦形が得意で粘り強い、というのは以前から変わりませんので、気を引き締めて挑みました。

――本局の振り返り
藤井 21手目▲3三角成に△同桂という、変わった形を指してみました。師匠(伊藤博文七段)との研究会で出てきた手で、前例が△同銀しかなかったので、どうして皆さん△同桂じゃダメなんだろうって思いまして。将棋ソフトの評価値も互角の数値が出てきましたし、これは調べたほうがよいのではないかと。ただ本局のように普通に対応(23手目▲6八銀や29手目▲5五歩)されたときに何だか微妙になってしまいました。個人的には23手目で▲2二角と打ち込んできてくれるかなと期待していたのですが、全然そんなことなくて冷静に指されましたね。45手目▲2六歩で桂を捕獲されたあたりは苦しかったです。何とか手はつなぎましたけど我慢の多い将棋になって、形勢は悪いと思いながら指していました。87手目▲5三歩成に代えて▲3七飛成△4二角に▲3二竜とされていたら負けまであったのではないかと思います。

――本戦トーナメント2回戦への抱負
藤井 前期の本戦トーナメント1回戦ではボロボロの将棋で終わってしまいました。本局は反省の多い内容でしたけど、前期よりひとつ上に進めたことと、ひとつでも多くこのリコー杯女流王座戦で指せることがうれしいです。反省するところは反省して、気持ちを新たに次も挑みたいと思います。

――ファンに向けて
藤井 今回も戦型で工夫してみました。いつも支えてくださっている方々にひとつでもご恩を返していけるように、これからも引き続き頑張っていきたいと思っております。

以上で本日の中継を終了致します。
ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。