棋士室に中澤女流初段の姉弟子の室田伊緒女流二段が訪れました。本譜の進行をチェックしており、中澤女流初段の指し回しを「らしい受け」と表現しています。

（室田女流二段は棋士室の常連）

中澤女流初段は玉を中段に上がって押さえ込みを図り、藤井女流３級は必死に攻め続けています。上図は王手に銀を打ったところ。中澤女流初段は▲７六玉との選択で▲５七同金△同桂成▲３四金と駒得を主張し、以下△６七金▲７六玉△５五飛▲８六歩△６八成桂▲４六角と進みました。対して△５六飛か、△５九飛成か。大きな選択になるようです。

（必死に食いついた藤井女流３級。大きな分岐点を迎えているようだ）

再開直後の▲６六銀打に対し、△５六銀と絡みました。▲５六同銀は△同角が王手で、△４七角成の狙いが残ります。上図以下、▲５八金上△６七銀成▲同金直△７六銀▲５六銀△６七銀不成▲同金△７六金。

藤井女流３級は△５六角を見せて６七の駒を取っては７六に打って絡みました。途中、手順が一巡しながらも中澤女流初段は▲４六金と千日手を打開。

以下、△６七金▲同玉で新しいステージに移っています。

（中澤女流初段は千日手を打開。力強く玉上がりで応じる）

12時40分に対局が再開。記録係から声がかかると、中澤女流初段は駒台に手を伸ばして▲６六銀打を着手しました。

（再開前、手番の中澤女流初段）

（再開前の藤井女流３級）

（▲６六銀打を着手）

（着手を見て前傾姿勢が深くなる）

（午後の戦いが始まった）

12時、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲中澤１時間７分、△藤井52分。昼食の注文は両者ともにありませんでした。対局は12時40分から再開されます。

（両者は盤の前を離れずに考える）

上図の△３五銀で前例を離れ、▲３五同銀△同歩▲７五歩と進みました。両者ともに時間を使う展開になっています。

（中澤女流初段は２つめの位を取って手番を渡す）

（本局はチェスクロック使用。残り時間を示すタブレットが記録机に置かれる）

（藤井女流３級は９時30分過ぎには入室。うつむいて待つ）

（中澤女流初段は９時45分、余裕を持っての入室）

（振り駒の結果は歩が４枚。中澤女流初段の先手が決まった）

図は10時30分頃の局面。藤井女流３級のゴキゲン中飛車に進み、中澤女流初段は自身の経験のある形で迎え撃っています。

（本局に昇級を懸ける藤井女流３級はゴキゲン中飛車に命運を託す）

振り駒の結果は歩が４枚。中澤女流初段の先手に決まりました。

（先手の中澤沙耶女流初段）

（後手の藤井奈々女流３級）

（駒を並べる両者）

第８期リコー杯女流王座戦二次予選より、中澤沙耶女流初段－藤井奈々女流３級戦を中継します。対局は関西将棋会館で６月６日（水）10時開始予定。持ち時間は各３時間（チェスクロック使用）、切れたら１手60秒未満の秒読みです。二次予選は12ブロックに分かれ、勝者は本戦に出場します。

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/8/joryu_ouza201806060101.html
【第8期リコー杯女流王座戦二次予選】
https://www.shogi.or.jp/match/jo_ouza/8/nizi.html

本局の中継は飛龍が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

（今朝の大阪はあいにくの雨。今期の二次予選は関西将棋会館の対局で開幕する）