【伊藤女流二段インタビュー】
山田久女流四段のインタビュー
――本局を振り返ってください
山田 序盤の駒がぶつかったところから難しい将棋でしたが、積極的に指せたのがよかったと思います。たとえば△6五桂(38手目)とか、地味ですけど△7五歩(40手目)とか。△3二銀と締まりたいのですが、攻めの手のほうが価値が高いと判断しました。
――どのあたりでよくなったと感じましたか
山田 △8九飛(44手目)で少し指しやすいと感じました。本譜はこちらだけ香が手に入る形になりましたので。
――これで本年度は負けなしの4連勝です
山田 私は連勝連敗型なので、あまり浮かれず、気を引き締めていきたいと思います。
――本戦入りを決めての感想をお願いします
山田 8期目にして初めて本戦に入れました。出来すぎだと思っていますが、(この勢いを)もう少し続けられたらいいなと。
――ファンの皆さまにひと言お願いします
山田 いつもリコー杯女流王座戦をご覧いただきまして、ありがとうございます。本戦も長い戦いですので、引き続きご観戦いただければと思います。本日はありがとうございました。
▲甲斐-△山田久 感想戦
▲中井-△伊藤 伊藤勝ち

この局面で中井女流六段が投了しました。終局時刻は16時10分。消費時間は、▲中井3時間0分、△伊藤2時間19分。
勝った伊藤女流二段が本戦入りを決めました。
▲甲斐-△山田久 山田女流四段が勝利
▲甲斐-△山田久戦は16時6分、86手で山田久女流四段が勝ちました。消費時間は、▲甲斐3時間0分、△山田2時間23分(持ち時間は各3時間)。
▲中井-△伊藤 寄せきれなかったか

▲中井-△伊藤戦は上図まで順調に先手が攻めているように見えましたが、ここで中井女流六段が時間を使いきって▲4五桂。後手玉を寄せきれなかったため、5四竜を守った意味でしょうが、変調ではないかといわれています。
下図は16時頃の局面。後手に攻める機会がやってきました。

▲中井-△伊藤 先手優勢

▲中井-△伊藤戦は先手の攻めがつながり、先手が優勢になったようです。











後手は角付きの左美濃という堅陣を生かし、△5七歩(図)と確実な攻めに出ました。先手は何かひねり出さないといけませんが、すでに残り1時間を切っており、時間の面でも苦しくなっています。
▲中井-△伊藤戦、図の▲3三角は駒台から打ち込んだ手です。前エントリの△1三桂から流れが激しくなり、先手が駒損辞さずの攻めを敢行しています。図の▲3三角という手について、「いい手の確率は高いが、急ぎすぎになることもある」とは田村七段の談。しばらくは先手が寄せきれるか、後手が耐えられるかの勝負が続きそうです。
▲甲斐-△山田久戦はさばき合いになりました。図の局面は6五桂と8五桂の性能差が目立ちます。後手の6五桂のほうが中央に近く、△7六歩の突き出しもあり、今後の活躍が見込めます。田村七段は「後手よし」と話しています。