2016年9月 1日 (木)

記者会見

感想戦後に記者会見がありました。

A651 (加藤女流王座、里見女流四冠、島朗・日本将棋連盟常務理事が出席)

「挑戦者となりました里見香奈女流四冠は内容的にとても安定しています。ここ数年でも群を抜いています。加藤桃子女流王座もタイトル戦では盤石の戦いを見せていますが、この記者会見でこれから戦うんだという気持ちになられていることでしょう。二人はこれからも幾度となく戦うのではないかと思います。五番勝負はいい戦いになることを願います。温かい応援をよろしくお願いします」

加藤「里見さんは努力の方という印象です。内容も安定していて、理想の将棋。五番勝負を通して学びたいと思います。現在は強くなりたいという気持ちがいちばん強いです。一瞬一瞬を大切に一局一局を丁寧に指したいです」

里見「今日の将棋は序盤から前例のない展開でした。一手一手を考えて進めていけて、自分の力を出しきれたと思います。再びこのような舞台で指させていただけることは光栄です。五番勝負を通して強くなるのは難しいかもしれませんが、こうやって向き合ってきたと思えるような勝負をしたいと思います」

A622 (記者の質問に答える加藤女流王座)

――加藤女流王座は今回防衛すると初めての「クイーン王座」になります。

加藤「女流王座戦は私の中で かけがえのないものです。初めてタイトルを取ったり、防衛したり失冠したりといろいろありました。可能でしたらクイーン王座になりたい気持ちはあります が、今シリーズは厳しい戦いになると覚悟しているのでクイーン王座を意識するよりも本当に強くなってからいただけるようになることがうれしいことだと思っ ています。そのために目の前のことを一生懸命やっていかないといけません」

――里見女流四冠は第3期で女流王座を獲得し、第4期は休場により出場できませんでした。

里見「休場前にリコーの関係者の方にお話ししたときに『いまはゆっくり休んでください』と温かい言葉をいただきました。申し訳ない気持ちとご迷惑をおかけした気持ちがあり、現在、感謝の気持ちしかありません。現在は自分が一生懸命将棋に向き合って、自分の力を出しきれるような五番勝負にしたいと思います」

A618 (島理事が質問する場面も)

「私からも質問させてください。加藤女流王座はリコーのラグビーチームであるリコーブラックラムズの試合をご覧になられたそうですね。初めてのラグビー観戦だったかと思いますが、感想はいかがでしたか」

加藤「先週土曜日に初めて観戦しました。迫力がすごかったです。勝負する人はこんなに生き生きしているのかと。試合はブラックラムズがリードしていたのですが、最後に点差が詰まったんですね。どちらが勝つかわからない状況で一生懸命しのいでブラックラムズが勝ったので、どんなに苦しくてもあきらめてはいけないと感じました。それを五番勝負に生かせたらと思います」

A635


――3年前の自分と現在の自分で変わったもの、変わらないものはありますか。

里見「休場してからはリラックスするようにしてきましたが、除々にですけどペース配分を考えて頑張りたいと思っています。たぶん3年前のほうが頑張っていると思いますので。将棋が好きということは現在も変わりませんので、その気持ちを忘れずにやっていきたいと思います」

加藤「3年前は奨励会は1級だったと思います。初段に上がれたのは成長を感じますが、現在も成績はあまりよくないので現状は甘いのひと言に尽きるなと思います。私も将棋が好きですので、負けが込んでもやっていけるのでこれからも続けたいです」

――五番勝負の第1局は『聖の青春』とのコラボレーションとのことですが、里見さんは村山聖九段の扇子を使われたこともあります。世代は違うわけですが、どういう存在でしょうか。

里見「『聖の青春』が映画化されると聞いた時はとてもうれしくて、早く見たいという気持ちが強かったです。小説は2,3回読みましたが、いつ読んでも刺激を受けます。将棋年鑑のアンケートで書いたことがあったと思いますが好きな本です。第1局がコラボされていると先ほど知りましたが、どういう場所なのか雰囲気なのか楽しみです。村山先生の映像でしか見たことはないのですが、生き方は自分の理想とするところなので、刺激をいただいて自分も成長したいと思います」