2014年11月13日 (木)

前夜祭(4)

【明日の展望】

Img_8559渡辺二冠。
「明日の展望なんですけども、第1局は加藤さんが勝ったんですが、西山さんはこういう大きな舞台で将棋を指すのが初めてなので、一度経験しますと2回目は本来の力が出ますからね。1回目はかなり緊張したと思うんですよね。1回目と2回目はかなり違うと思いますので、第2局は本来の力が発揮できると思いますので、第1局も熱戦でしたけども、第2局はそれ以上の対局が期待できるのではないかと思います。加藤さんも西山さんもともに奨励会に所属しておりますが、私の隣の近藤六段は奨励会の幹事をされていますので、二人のことに詳しいと思いますので、近藤さんに語っていただきたいと思います」

Img_8564近藤六段。
「明日は観戦記者という形で二人の将棋を拝見して、後日、日本経済新聞に載せるんですけども、私は今年の7月から奨励会の幹事を引き受けまして、二人の将棋は見たことがないですけども、奨励会の後輩として色々と見ています。二人は19歳ですけども、しっかりしているのは奨励会員として当然だと思います。加藤さんは割合慎重派という将棋で、西山さんは勝つときは一番に飛んでくるんですね。早指しなんです。加藤西山戦というのは奨励会では長らくなかったんですが、女流王座戦の開幕前(注・9月6日)に激突しました。そのときの一勝が大きくて、西山さんは二段に昇段したんですね。二人はお互いを良きライバルにして、女性初の棋士がぜひ誕生してもらいたいなという気持ちです。こういった華やかな機会はなかなかありませんから、今後の棋士人生に生かしていってほしいと、幹事は思っております。明日の展望は、静岡在住の中尾さんに語ってもらいたいと思います」

Img_8569中尾五段。
「明日は大盤解説の方を務めさせていただきます。加藤さんは子供の頃から将棋を見ているのですが、小学5~6年生くらいになると、将棋大会に出ると優勝することが多く、大人よりも強かったという感じでした。どのくらい強くなるのかなと思っていたのが思い出されます。明日は、加藤さんは居飛車党、西山さんは振り飛車を主に指すということで、戦型を読みやすいと思いますので、全力を尽くしたいい将棋が見れるのではないかと思います。ぜひ同じ女流棋士の矢内さんに語っていただきたいと思います」

Img_8577矢内女流五段。
「私は加藤さんとは公式戦では1局だけ、西山さんとはこんにちはと言うのも今日が初めてという感じでして、どうなるのかなと思っています。西山さんは今回すごい早指しで、トーナメントでも消費時間19分で吹き飛ばしてしまうというパワフルな方だとうかがっています。第1局ではかなり時間を使っていたんですね。そこは自分のペースで指せていなかったのかなというところがありますので、明日はあまり早く終わられても困りますが、西山さんが本来のスタイルを取り戻して、そのうえで大熱戦が繰り広げられるのではないかなと思って、勉強させていただこうかと思います。では、加藤さんのことも西山さんのこともよく知っていると思う室谷さんにバトンタッチしたいと思います」

Img_8591室谷女流初段。
「明日は駒桜イベント、大盤解説会の聞き手を担当させていただきます。加藤さんとは東京に引っ越してきてからお世話になっておりまして、とても勉強熱心で、普段はにこにこしていて可愛らしいなという印象を持っているんですけども、盤上では怖いというか、勝負師の顔になります。西山さんは大阪府の狭山市(大阪狭山市)出身なんですが、私も狭山市出身で、小学校も中学校も同じ、将棋教室も同じで、そんな彼女がタイトル戦に出ることはなんだか不思議な気持ちと、私もがんばらなくてはという気持ちにさせてくれます。第1局は終盤までどちらが勝っているかわからない熱戦だったので、第2局も期待していいのではないかと思います」

Img_8622閉会の挨拶 天海 洋一 リコージャパン株式会社 執行役員 中部事業本部長。

Img_8310会場にはRICOHの最新鋭のカラープロダクションプリンター「RICOH Pro C5110S」が展示されていた。

Img_8630ほんの1時間前に撮影された写真が、あっというまにカレンダーに仕上げられていた。

本日のブログ更新はこれで終了いたします。
明日の対局をどうぞお楽しみに。

(文章書き起こし=文)