形勢接近
106手目△4四馬は詰めろ、かつ、と金取りになっている。実戦は▲3六歩で詰めろを解除したが、中継室を訪れた某棋士は「これはヨリが戻った」という。▲3六歩では▲4三金があった。以下△4三同馬▲同と△同玉▲8七角(参考図)が▲6三竜以下の詰めろで飛車取りになる。
実戦は▲3六歩△5三馬▲6六角△3三桂打(110手目)で西山奨励会初段の手が止まった。この桂は▲1一角成と▲3三金の両方を受けている。某棋士は「異変に気づいたのではないか」と西山奨励会初段の心中を推測している。
ペースアップ
図の局面で残り時間は▲西山1時間29分、△清水21分。消費時間に1時間の差がついた。西山奨励会初段は早指しで知られる。苦しかった序中盤は時間を使っていたが、終盤になって小気味のいい早指しが戻ってきた。手ごたえを感じているのかもしれない。
逆転で先手よし
駒割りは先手の香得になった。遠山五段は図の数手前から「先手持ち」と話している。形勢は逆転したようだ。後手は中盤の大駒交換を避けるべきだったかもしれない。
図で先手は銀取りに▲9三竜としたくなるが、▲9二竜で後手に駒を使わせるのが細かい利かしになる。後手はしばらく耐えて1筋攻めに活路を求めたい。△1五歩はすでに入っている。
先手が勝負形に持ち込む
後手リード
後手の歩が先手の駒を押さえ込みつつあるなか、西山奨励会初段は金銀で中央突破を図った。しかし図で△7七歩成が利く。(1)▲7七同飛は△同飛成▲同桂△5六銀▲同銀に△7七角成。(2)▲7七同桂は△5六銀▲同銀△7七角成。どちらの変化も後手が桂得で大駒を成り込める。後手の模様の良さがいよいよ具体的な戦果につながりそうだ。
※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。
女流棋士会
日本将棋連盟女流棋士会は今年春に女流棋士誕生40周年を迎えた。6月29日(日)には「女流棋士発足40周年記念パーティー」が行われ、多くのファンや関係者が集まった。40周年を記念して『女流棋士名鑑2014』も制作・販売されている。
【駒桜(女流棋士会ファンクラブ)】
http://komazakura.shogi.or.jp/
【女流棋士発足40周年記念パーティー レポート】
http://www.shogi.or.jp/topics/event/2014/07/post_1022.html
(『女流棋士写真集2009』は東京・将棋会館1階売店で販売中)
(『女流棋士名鑑2014』も販売中。インタビューや対談の記事もある)
(『女流棋士名鑑2014』から、清水女流六段の写真)
(清水女流六段の揮毫扇子はオンラインショップからも購入できる)
飛車側の攻防
対局再開
昼食休憩
12時10分、図の局面で清水女流六段が11分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲西山38分、△清水1時間7分(持ち時間、各3時間)。対局は13時に再開する。
(休憩中の対局室。西山奨励会初段の席にはチョコレートがあった)
※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。