2014年6月27日 (金)

本局は棋譜をタブレット端末で記録するプレテストが行われています。

Imgp9901 (こちらは通常の記録係の道具。時計とボールペン、棋譜用紙が置いてある)

Imgp9905 (こちらがタブレットでの記録。タブレットに指し手が入力したあと、棋譜用紙にも指し手と消費時間を書きこむのがルール。棋譜用紙にも書き込むのは、対局者にも棋譜を見せることができるようにするためだ)

Imgp9940 (対局者が指すと、すぐに記録係も画面にタッチ。消費時間が秒数まで記録されているのは、デジタルならではだ)

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。

20140627ahisatunishiyama33図は△7四歩に▲6五歩に合わせたところ。△同歩ならば、▲7四歩△同金▲6四歩とさばく狙いがあります。

20140627asankouzu1103 ▲6五歩に久津女流初段は△8六歩▲同歩△7三金と飛車先を軽くし、金を6筋の守りに使いました。

20140627anishiyamahisatu36△8六飛を受ける▲7六飛は△7五歩、攻め合う▲6四歩も△同金▲7四歩△8六飛とさばかれるので先手が指しにくいです(▲7三歩成△同桂▲同飛成は△8八飛成と角を取られる)。

どうするかと思われましたが、西山初段は▲4八飛と転換しました。

20140627anishiyamahisatu39△8六飛には▲4五歩の反撃を狙っています。後手の玉頭でさばいてしまうつもりです。

20140627asankouu11061▲4五歩以下、△同歩は▲2二角成△同玉▲7七角の王手飛車、△8七飛成も▲4四歩△5二銀▲4三歩成(△4三同銀は▲2二角成△同玉▲4三飛成で銀が取れる)でしびれています。

20140627ahisatunishiyamasankouzu112

20140627asankouzu1108▲4八飛にどう指すか。久津女流初段はうまい受けを指したいところです。

Imgp9942 (朝の西山初段。棋風通り、豪快なさばきを狙っている)

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。

もうすでに中盤戦に入っていますので、それまでの序盤の流れを整理します。

20140627anishiyamahisatu4まずは4手目に久津女流初段が角道を止めたのがポイントです。角交換になる筋を消し、じっくり指す狙いです。

20140627a18temenishiyamahisatuそのあと、久津女流初段は△7二金と上がって棒金の態度を明らかにしました。西山初段の石田流を金銀の力で抑え込もうとしています。

20140627ahisatunishiyama25それを警戒してか、西山初段は▲6五歩から歩交換し、角道を開けました。いつでも▲4五歩から角交換を挑めるようにし、さばきやすくした狙いと思われます。

20140627anishiyamahisatu31_2△8三金に、飛車を引き揚げる▲7八飛も対棒金の手筋です。石田流は7六飛・7七桂の形が基本ですが、飛車の逃げ場所が少ない分だけ棒金には押さえ込まれることも多いので好形とは言えません。それよりは▲7八飛と飛車の当たりを避けて、▲4五歩や▲6五歩を反撃を狙ったほうがさばきやすくなります。

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 (久津知子女流初段)

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 (西山朋佳奨励会初段)

Imgp9921 (久津女流初段の振り歩戦で、と金が3枚。西山初段の先手が決まった)

Imgp9929 (10時になり、対局開始)

Imgp9935 (▲7六歩△3四歩▲7五歩に△4四歩。久津女流初段は角道を止め、穏やかな駒組みを目指した)

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。

おはようございます。本日は久津知子女流初段と西山朋佳奨励会初段の一戦をお送りいたします。西山初段の強烈な攻めに久津女流初段がどう応じるかが見どころになりそうです。

本局の中継は棋譜コメントを牛蒡、ブログを紋蛇が担当いたします。よろしくお願いいたします。

Imgp9898 (本日の千駄ヶ谷は曇り空)

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。

2014年6月26日 (木)

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■室谷女流初段インタビュー■

―――序盤は▲4八玉から美濃囲いに組む作戦でしたが、これは研究している形ですか。
室谷「▲5六銀(13手目)で△4四歩と受けさせることで、後手から早い攻めが来ないので、美濃囲いで戦えるかなと思って研究しています」

―――中盤はいかがでしたか。
室谷「▲3六歩と開戦したところは、まずまずかと思いました。60手目の△4四歩に▲3四歩と突いたところでは、良くなったかなと」

―――先手がかなり良さそうな形でしたが、81手目▲4五銀に△4八歩で急にピンチになりましたか?
室谷「はい。△4八歩の筋は打たれないようにずっと気にしていたのですが、▲4五銀と出る瞬間だけうっかりしてしまいました。打たれた瞬間は青ざめたのですが、局面が複雑だったので、もしかするとチャンスがあるかもしれないと気を取り直して指していました」

―――勝ちを意識されたのはどこでしたか。
室谷「115手目▲5五玉と出たところで、玉が安全になったので勝ちになったかなと思いました」

―――リコー杯は初の本戦出場ですね。意気込みをお願いします。
室谷「先のことは考えず、目の前の対局に集中していきたいと思います。今日のようなポカをしないように気を付けたいです」

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(インタビュー、八雲・撮影、吟)

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。

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■清水女流六段インタビュー■
―――真田女流二段とは約12年ぶりの対戦でした。
清水「かなり前の対戦とあって、印象をあまり覚えていなくて新鮮に対局へ臨めました」

―――真田女流二段が工夫されましたね。
清水「初めての形で緊張感があり、慎重に指しました」

―――慎重ということでしたが、▲3四飛(37手目)は思いきりがよかったですね。
清水「穏やかになると、手得がぼやけそうなので思い切り行きました。▲3四飛と取ったからには積極的にいかないと勢いをそがれてしまいます。あまり変化の仕方が難しかったようで、△6四歩(28手目)とかがどうかでしょうか」

―――本局に勝って、4期連続本戦入り。本戦の1回戦は甲斐智美女流王位・倉敷藤花との対戦です。
清水「楽しみです。最近、番勝負で対戦したばかり(女流王位戦五番勝負で対戦)で、そのときの気持ちがまだ冷めていません。シリーズで得たものを出す機会です。本戦はストップウオッチの3時間(1分未満の考慮時間は切り捨て)なので、じっくり臨みたいですね」

―――ファンの方にひと言お願いします。
清水「1回戦から大強敵ですが、先ほど言ったのとかぶってしまいますが、女流王位戦で得られたものを無駄にせず内容重視で指したいです」

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(インタビュー、銀杏・撮影、吟)

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。