中村女流二段インタビュー
――本局を振り返っていかがですか?
中村 序盤は後手番なりにまあまあかと思っていましたが、▲3七角がいい手で難しいと思いました。中終盤は難しかったですが、先に先手玉を薄くして7七におびき出せたので実戦的に指しやすかったと思います。最後も駒の働きが強いので大変でしたが、△7六銀があったので何とかなったかと思いました。
――渡部さんとは公式戦2局目でした。
中村 蒲田将棋クラブでも指したことがあります。渡部さんは居飛車穴熊を得意にしているので、今日みたいな戦型になるのは予想してました。
――4期連続の本戦です。
中村 本戦に出られてうれしいです。本戦も1局1局、頑張りたいと思います。
――ファンの皆様にも一言お願いします。
中村 リコー杯女流王座戦は中継していただけるので、ファンの皆様に身近に感じていただける棋戦ですね。本戦も自分らしい将棋を指したいと思っています。
次回のリコー杯女流王座戦は6月18日(水)長谷川優貴女流二段-貞升南女流初段戦です。お楽しみに。ご観戦ありがとうございました。
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。
感想戦
終局直後
中村女流二段が本戦へ
後手勝勢
強気の応手
▲6四歩に対し、時間を使っていた中村女流二段は△7四金とぶつけていった。▲7四同銀△同銀▲6三銀の打ち込みが見えるが……。
中継室を再び訪れた伊藤果七段は「後手が一手勝ってそうですね」と話す。
「正確に指せば後手がよさそうですね」と中継室を訪れた室谷由紀女流初段も話す。
(やっぱり気になる? 見ているのはモバイル中継だろうか)
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。
強烈な放り込み
△7七銀と中村女流二段が放り込んだ局面。▲同銀△同歩成▲同玉に△7四歩と進めば、先手の7五の銀が助からない。後手が局面をリードしている。
(攻める中村女流二段。本領発揮だ)
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。
真梨花ペース
△6三金直と中村女流二段が立った局面。「真梨花ちゃんが好きそうな手ですね」と中継室を訪れた遠山雄亮五段。△6三金直は▲5一飛成なら△2二飛がピッタリ。5一の竜に角で当てながら△2九飛成を狙う手で気持ちがよい。
記者が「後手ペースですか」と聞くと「真梨花ペースですね。振り飛車がよさそうです」と遠山五段。
真梨花ペースという表現は中村女流二段らしさが出ているということだ。
(モニターを見つつ解説する遠山五段)
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。
飛車先突破か6筋攻めか
△6四歩に▲6八金引と金を引かせて後手は拠点を作った。しかしゆっくりしていると先手からの▲3三歩成がある。△同角は▲2一飛成が、△同桂は▲5四飛で銀得ができる。先手はどうやって攻めを続けるのか。
(先手は飛車がさばけた格好。▲3三歩成を楽しみにしばしの辛抱だ)
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。