(感想戦終了後、里見香奈・新女流王座の記者会見が行われた)
--まず率直な感想をお聞かせください。
里見「地元の方々が応援してくださっていたこともあるので、結果を残せたことについてすごくうれしいです」
--大盤解説会で今回の五番勝負を「今までの番勝負で一番楽しかった」と言われましたが、どういうお気持ちでそう言われたのでしょうか。
里見「第1局から熱戦が多く、初めてのことが多いシリーズでした。負けた将棋も勝った将棋も力を出し切れて、終わったあとに充実感がありました」
--ここ最近、失冠が続いていましたが。
里見「少し前から自分の中で変化を持たせていて、悪いところがたくさん出たのがタイトル失冠になってしまったのかなと。でも修正できたり、いろいろ試すこともできました。そういうことがあったからこそ、全力を出し切ることができました」
--具体的にはどのあたりを変化させようとお考えなのでしょうか。
里見「攻め将棋の部分を自制したり、弱いところを鍛えようと思いました。まだその過程でうまくかみ合っていない不安もありましたが、1つ結果が出たのは自信になりました」
--奨励会では次回の例会(12月23日)に2番連続の三段昇段の対局を迎えます。奨励会との両立はいかがでしょうか。
里見「どちらかがうまくいかないときもあれば、どちらもうまくいかないという1年でした。でも1年前と比べると、自分で考えていることができたと思います。タイトルの失冠、奨励会では二段昇段とありましたが、変化はしているので充実しています。次回の例会は2番連続なので余裕があると見られていると思いますが、絶対上がるという気持ちです。今年中に三段に上がりたいと思います」
--これで、現在ある6つの女流タイトルを全て取ったことになります。
里見「女流王座戦は前夜祭からすごく盛大にしていただいて、ずっと対局したいと思える棋戦で、奪取できたことをうれしく思います。全てのタイトルを取るということは意識をしていなかったのですが、振り返るとあっという間でした」
第3期リコー杯女流王座戦五番勝負は里見香奈女流王座の誕生で幕を閉じました。ご観戦、ありがとうございました。