（昼食休憩中の芙蓉の間）

（先手は角の動きで一手損したので、その代償を得たい） 

12時10分、ここで里見女流四冠が16分考えて昼食休憩に入りました。消費時間は▲里見45分、△伊藤１時間３分。対局は13時に再開されます。

図は▲７八銀と上がった局面。伊藤１級は△８四歩と突きました。

一瞬悪形になりますが、次に△８三銀から銀冠を作る狙いです。後手は上部に厚い囲いにできれば、先手の飛車と桂を圧迫することができます。対して里見女流四冠は▲６七銀～▲６六銀～▲７五銀と銀を繰り出し、後手の厚みに対抗しました。

上図は11時30分頃、８八角を９七に上がったところ。先手は石田流の攻撃的陣形、後手は銀冠を構築できたのが主張です。

先手はいつでも▲６四歩から仕掛けることができますが、それでよくなるかまた難しいところ。ともにそれを頭に入れながら、駒組みを進める必要がありそうです。

里見女流四冠は▲７六歩△３四歩▲７五歩と石田流を採用しました。女流棋戦では先手無敗（18戦全勝）と圧倒的な数字をたたき出している出だしです。里見女流四冠の得意戦法に対し、伊藤１級は△５四歩から相振り飛車へ進めました。

 （王将をすえる里見女流四冠）

（下座の伊藤１級）

（振り駒。結果は歩が３枚出て、里見女流四冠の先手が決まった）

（10時になり、対局開始）

おはようございます。８月14日（水）は、本戦準決勝より里見香奈女流四冠－伊藤沙恵奨励会１級戦をお送りします。

勝てば決勝に進出する一番。両者の対戦はこれまでなく、女流棋戦では初手合いです。

本局の棋譜コメントは牛蒡記者、ブログは紋蛇がお送りします。よろしくお願いいたします。

感想戦は20時頃に終了しました。これで本局の中継を終了いたします。ご観戦いただき、ありがとうございました。

（本日の棋譜）

※本記事の写真撮影は、PENTAX K-30 を使用しました。

（勝った本田女流三段。難しい玉頭の攻防を制した）

（敗れた中井女流六段。すさまじい粘りを見せた）

（すぐに感想戦が始まった。舞台はもちろん終盤だ）

 ※本記事の写真撮影は、PENTAX K-30 を使用しました。

△２六桂を見て中井女流六段が投了しました。終局時刻は18時18分。
消費時間はともに２時間59分。
勝った本田女流三段は準決勝で渡辺弥生女流初段と戦います。