後手が玉頭の勢力拡大に成功しました。1七成銀と2六金が良く働いています。このように攻める手が守る手も兼ねているのが玉頭戦の醍醐味です。
しかし、先手の9一馬もよく働いているので、勝負の行方はわかりません。
後手が玉頭の勢力拡大に成功しました。1七成銀と2六金が良く働いています。このように攻める手が守る手も兼ねているのが玉頭戦の醍醐味です。
しかし、先手の9一馬もよく働いているので、勝負の行方はわかりません。
すさまじい攻防が続いています。後手は1六歩を銀で払って詰めろを解除し、先手に詰めろをかけたいところ。先手は9一馬の利きをいかして、どれぐらい耐えられるかが勝負です。
玉頭戦はスペースを埋める戦いともいわれます。制するのはどちらでしょうか。
図は▲5二竜と香を取った局面。中継室に来訪した菅井竜也五段は「先手玉に詰みはなく、▲1五香から後手玉が危ないです。もしかすると逆転したかも」との見解です。
「数手前の▲3九玉がいい手でしたか。後手はもうちょっといい寄せ方があったと思います」(菅井五段)
図は17時頃の局面。後手玉も徐々に危なくなってきました。中井女流六段の残り時間は2分、対する本田女流三段は36分と時間を残しています。
※本記事の写真撮影は、PENTAX K-30 を使用しました。
図は△6九飛と打ち込んだところ。中井女流六段も攻めていますが、本田女流三段はもらった駒で厳しく反撃しました。局面は大詰めを迎えています。
図は16時頃の局面。ここで本田女流三段は△8七桂!と指しました。
意表の桂です。以下▲6九金△7八歩成▲同金△7七歩▲8七金△7八歩成と進みました。
後手は8七桂を犠牲にし、と金を作ることに成功しました。次に△6九角▲4九玉△6八とが厳しい狙い。先手は△5八と、△8七角成を受けることができません。
※本記事の写真撮影は、PENTAX K-30 を使用しました。
15時過ぎ、中井女流六段は▲2四歩と拠点を作り、力をためました。対する本田女流三段△1三銀。
△3五歩▲同角(▲同飛)△2四銀と、拠点を払う手を見せて先手の攻めを急かしています。中井女流六段は▲8五桂△同桂▲9一角成と馬を作りましたが、やはり△2四銀と払われてしまうのがつらいところ。中継室に来訪した片上大輔六段は「後手有利」との見解を示しています。
本田女流三段の△2四飛に対して、中井女流六段は▲4六角(8分)と打ちました。自然に受ける▲2七歩は、歩のタタキがなくなるのでつまらないと判断したのかもしれません。以下△5四飛(4分)▲2二歩(23分)と進んでいます。
一転して、先手が攻める展開となりました。△2二同金には▲2四歩が考えられる攻め筋です。△2四同銀には▲7三角成△同銀▲3四桂、△3四銀には▲7三角成△同銀▲4六桂の両取りがあります。本田女流三段は△3一玉(19分)と受けました。
ここで先手がどうするか。じっとしていると盤と持ち駒の角の差が響いてくるので、先手は少し忙しい局面です。
千駄ヶ谷では、様々な文化的施設、イベントがあります。
(津田塾大学の津田ホールでは、定期的にコンサートが行われている)
(将棋会館に向かう途中にあるビル。この二階では、作家・村上春樹氏がジャズバーを経営していた。いまは別の店となっているが、店主によれば「外の階段だけは昔のままですね」とのこと)
他にも国立能楽堂や国立競技場などもあります。将棋会館にお越しの際は、散歩してみるのもいいかもしれません。
※本記事の写真撮影は、PENTAX K-30 を使用しました。
対局再開後、本田女流三段は△9五歩▲同歩△7五歩と仕掛けました。
中井女流六段は▲6六銀。▲7五同歩は△4五桂(▲4六歩は△2五角の王手飛車。次に△6五桂と跳ねれば5七に成れる)、もしくは△9八歩▲同香△5四角(8筋突破と飛車交換から△9九飛の狙い)が気になったのかもしれません。
実戦は▲6六銀に△2五歩▲7五銀△2四飛と進行しました。
本田女流三段は飛車を2筋に転換しました。歩を損しているので、後手は攻めをつなぐことが求められています。
※本記事の写真撮影は、PENTAX K-30 を使用しました。