12時10分、ここで伊奈川女流１級が８分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲本田57分、△伊奈川50分。対局は13時に再開します。

角換わりから先後同型になりました。図の局面から▲４五歩と仕掛けた手に対して、伊奈川女流１級は△６五歩！

この手が前例がありません。

中継室を訪れた片上大輔六段は「この手は見たことがないですね。▲４六角が打てるので考えたことがなかったですが、改めて見ると形勢は難しく見えます。へえーへえー、面白い手ですね」とコメント。

定跡手順が続くことが多い角換わりですが、午前中から難しい戦いに突入したようです。

▲本田－△伊奈川戦は手損なしの角換わりになりました。後手が△８五歩を決めていないのが特徴的ですが、これは先手が誘導した形です。前期五番勝負第３局でも、本田女流三段は８四歩型の角換わりで戦っています。

（初手▲２六歩を指す本田女流三段）（２手目△３四歩と応じる伊奈川女流１級）

(記者が対局室に入った時は振り駒が始まっていた)

（歩を並べなおす本田女流三段）

（それを見守る伊奈川女流１級）

2013年７月３日（水）は第３期リコー杯女流王座戦・本戦１回戦、本田小百合女流三段と伊奈川愛菓女流１級の一戦を中継いたします。前期挑戦者の本田女流三段か連続挑戦に向けて好スタートを切るのか、それとも５連勝中と好調の伊奈川女流１級がまったをかけるのか。

対局場東京・将棋会館の「飛燕」にて10時開始。持ち時間は各３時間です。

本局の棋譜コメント中継は牛蒡記者が、中継ブログは紋蛇が担当いたします。よろしくお願いいたします。

（感想戦終盤は、両者とも表情が緩む場面が多く見られた）

（感想戦は18時過ぎに終了した）

本日はご観戦ありがとうございました。明日７月３日（水）は東京・将棋会館より本田小百合女流三段－伊奈川愛菓女流１級をお送りします。

（感想戦が行われている）

（対局が終わると記録係が棋譜用紙をコピーし、対局者に渡す）

（里見香奈女流四冠）

（島井咲緒里女流二段）

（中盤の感想戦が行われている）

（勝った里見香奈女流四冠。再び五冠を目指して走り始めた）

（敗れた島井咲緒里女流二段。厳しい表情だ）

▲島井咲緒里女流二段－△里見香奈女流四冠戦は94手で里見女流四冠の勝ちとなりました。終了時刻は16時32分。消費時間は▲島井２時間48分、△里見２時間10分（持ち時間各３時間）。里見女流四冠は２回戦で真田彩子女流二段－中倉宏美女流二段戦の勝者と対戦します。

里見女流四冠は△５六銀（80手目）と銀を捨てて△３七歩成と歩を成りました。これは▲３七同桂なら△３八歩▲２九金△４七角が詰めろ。手順は△２九飛成▲同玉△３九歩成以下で、美濃囲い崩しで習いある手筋を１つずらした形になっています。

放置しても△４七角が厳しく、局面は後手勝勢です。