2013年7月 2日 (火)

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図は▲3四香の金取りに△4二金寄とかわした局面です。先手は持ち駒がなく、これ以上の攻めは難しい状況です。後手がうまく攻めをいなしています。このあとは、飛車を取りに行く▲4二同龍△同金▲4九金打などが考えられます。

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(再開直後。里見女流四冠は右手を座布団について考えていた)

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図は島井女流二段が▲8二竜と、9一にいた竜を引いた局面です。次は▲3五歩△同銀▲4五香△3四金▲4三香成があります。

そこで里見女流四冠は△3五歩と辛抱。さらに▲8五竜の桂取りにも△6四歩と桂を守って手を渡しました。

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次は△5九飛~△5七桂成や、△7七歩▲同桂△6六角の攻めがあります。

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(対局開始時の島井女流二段)

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図は島井女流二段が飛車を下ろした局面。一見先手陣には隙がないように見えますが、気持ちのいい桂跳ねがありました。

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それが△6五桂。(1)▲同歩なら△8八角成と角をタダで取ることができます。(2)▲9一飛成には△7七歩▲同桂△6六角で攻めをつなげられると見ています。

ただ、実際に後手が指せるかと言われると疑問符がつきます。(2)▲9一飛成△7七歩▲同桂△6六角▲6五桂△8八角成▲5三桂成△同金▲3三歩(参考図)と進んだ局面は、先手の反撃が厳しく映ります。

Sankou

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(記録係は藤田一樹二段。二次予選の▲島井女流二段-△船戸陽子女流二段でも記録係を務めた)

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(二次予選はチェスクロック使用だったが、本戦はストップウォッチによる時間の計測。1手ずつ消費時間が記録される。島井女流二段は昼食休憩前に40分考えた)

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(55手目▲4八金引を指す島井咲緒里女流二段)

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(里見香奈女流四冠)

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(ここからは休憩なしで終局まで指していく)

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図は里見女流四冠が、7五で歩を交換したあとに飛車を1つ引いた局面です。ここで島井女流二段は▲8八角と飛車交換を臨みました。飛車を引いた手の流れから見て△7五歩と謝るのかと思われましたが……。

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ズバッと△7八飛成! △7四飛と引いた1手の損も、先手の8八角型が飛車の打ち込みに強いことも気にしない、強気の姿勢です。

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▲7八同銀△4五歩▲7九歩と打ったのが上図。先手は底歩を打ち、あらかじめ飛車の打ち込みに備えています。

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本局は島井女流二段の四間飛車穴熊に、里見女流四冠が銀冠で対抗しています。里見女流四冠の対振り飛車穴熊の銀冠と言えば、昨年度の将棋大賞で名局賞特別賞を受賞した女流名人位戦五番勝負第5局や、史上初の女流五冠を達成した今年5月のマイナビ女子オープン五番勝負第3局(いずれも上田初美・現女流三段戦)を思い出させます。

Vk_41本局、島井女流二段は3筋に飛車を回って1歩を手持ちにする戦い方を選びました。