第2期リコー杯女流王座戦は加藤桃子女流王座が3-0で初防衛に成功して閉幕した。
第2期リコー杯女流王座戦は加藤桃子女流王座が3-0で初防衛に成功して閉幕した。
出身の静岡県で防衛できてうれしいです。地元の人がずっと応援してくれましたし、本局も藤枝明誠の先生や生徒さんにお手伝いしていただいて、すごくうれしかったです。どの対局もいろんな人に支えられてできているんだなと思いました。
――本田女流三段の印象は
本田先生は女流棋士の中では数少ない居飛車党でどんな戦型も指されます。私は将棋をまだ知らないことの方が多いと思うんですけど、総合的にみて本田先生の方がいろんなことを知っていると思うんです。今日の将棋も私はやったことなかったんですけど、本田先生はけっこうやっているような感じだったので、私も本田先生みたいにたくさん経験を積みたいなと思います。
――今後の目標は
五番勝負の結果は幸運でしたけど、自分の課題もたくさん見つかりました。この対局もそうですけど、本田先生からはいろんなことを学べたので全部いかしたいなと思います。
奨励会は現在1級ですけど、今の成績でもう少し勝てば規定で初段に上がれるので、その規定を満たすのは大変だと思いますけど、がんばっていきたいと思います。
――もしお父様に今回のことを報告するとしたら
今日も父がどこかで見守ってくれていると思っていました。家に帰ったら、またあらためて今日あったことをすべて話したいと思います。
(関係者の入室と入れ違うように本田女流三段が席を外した)
(ストレートで防衛を果たした加藤女流王座。表情はかたいまま)
相掛かりの将棋になるのかなと思っていたんですけど違う展開になりました。でも▲4七金の形になって、あまり良くなかったですかねえ。読みにない手もいくつか指されて……。
――52手目△7四歩と打たれたときの感想は
△7五歩かと思っていました。攻め合いになるのかなと。その順を読んでいたんですけど、△7四歩と控えて打たれると指す手がよく分からなかったです。
――シリーズ全体を振り返って
1局目は落ち着かなくて、あまり読むことができなかったです。少しずつ慣れてきたかと思ったんですけど、足りなかったですね。
――本局を振り返って
序盤で△8五歩を突いていないことをどう生かしていくか具体的に分かっていなかったので、あとから△8五歩と突いたのですが……少し後悔していました。
△7四歩は自分にしてはよくかまんできたかなと思います。
――防衛については
加藤女流王座が寄せに入っている。本田女流三段はここをしのいで▲7三銀成~▲4四桂を実現させたい。局面は最終盤を迎えている。
解説会から控室に戻ってきた神谷七段は、図の局面を見て「そう簡単には決まらないが、後手優勢は間違いない」。先手は飛車角が遊び駒になっているため、速い攻めが見当たらない。しかし本田女流三段は図から▲2四歩と攻めた。勝負手とみられている。