2011年7月14日 (木)

第1期リコー杯女流王座戦は本戦トーナメント1回戦が進行中。7月14日(木)にお送りするのは甲斐智美女流王位と中井広恵女流六段(LPSA所属)の対局。先日女流王位を防衛し調子を上げている甲斐女流王位と、数々のタイトル獲得経験のある中井女流六段の戦いは激戦必至。どうぞお楽しみください。

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(将棋会館5Fより撮影。今朝も強い日差しが照りつけています)

インターネット中継は、棋譜・コメント入力を馬谷記者が、ブログを八雲が担当します。今日も一日よろしくお願いいたします。

2011年7月13日 (水)

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―― 一局を振り返っていただきます。よくなったと感じたのはどのあたりでしょうか。
加藤 ▲5七銀(55手目)に△2八馬(56手目)でよくなったと感じました。△5六桂(82手目)が詰めろで手応えがありました。
―― 対局を終えての感想はいかがでしょうか。
加藤 二次予選よりも伸び伸びと指せていますし、時間の使い方も慣れてきたように感じています。
―― 次の相手は岩根忍女流二段です。
加藤 おそらく対抗形(居飛車対振り飛車)になると思うので、しっかり勉強して臨みたいです。自分らしさを出せるように次も頑張っていきたいです。

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※飛車を質駒にする大きな一手。本譜はこの馬が大活躍した。

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※先手玉には△7七香からの詰めろがかかっている。受け方も難しい。後手勝勢。

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(聞き手・吟 写真・文)

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図は15時40分頃の局面。ここで千葉女流四段が苦悶の長考に沈んでいる。それもそのはず、先手玉には△7七香からの詰めろがかかっている。(1)▲同玉は△8七飛▲7八玉△8九飛成まで、(2)▲同金は△6八飛▲7九玉△8八銀▲同銀△同香成まで、(3)▲同桂は△8九銀▲6九玉△7九飛▲5八玉△4九飛成以下の詰みだ。図で▲3二角や▲3二金と追っていっても後手玉は詰まない。8二の飛車が守り駒としてよく働いている。したがって先手は現状の詰めろを受けるしかない。しかし、ただ受けただけでは一手一手の寄せになってしまいそうだ。持駒の角を使ってなんとか攻防手を探したいところだが、うまい手はなかなか見えてこない。

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(文)

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図は15時頃の局面。千葉女流四段が9九の成桂を外したところだ。3七の馬がよく働いており、後手がペースを握って攻め続けている。図の後手玉には詰めろがかかりにくいので、派手に駒を渡さない限りは着実に攻めていけばよい。実戦はここから△4六馬▲同銀△5六桂(△7七香からの詰めろ)と進んだ。加藤2級は馬を切って決めに出る。先手は手がかりが少なく、なかなか反撃のチャンスが来ない。後手の厳しい攻めが続いている。

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(一歩一歩、確実に先手玉を追い詰めていく加藤2級。写真は対局再開時のもの)

(文)