カテゴリ「第28期竜王戦決勝トーナメント」の記事 
▲真田-△渡辺明 戦いが始まる(2)
△7五歩以下、実戦は▲2五桂△2四銀▲4五歩△7六歩▲同銀△4五歩と進みました。
△4五歩の局面、渡辺明棋王は竜王戦七番勝負で後手を持って似た形を指しています。第25期竜王戦七番勝負第1局で、結果は渡辺の勝ち。挑戦者は丸山忠久九段で、第24期と第25期は角換わりシリーズになりました。
△4五歩と手を戻した局面を比較してみましょう。
違いは角と1筋の香の位置。より重要なのは▲1八香と△1二香の交換はどちらが得をしているかです。
まずは▲1八香は攻め駒を攻められたときに香が取られやすくなっています。例えば、前述の竜王戦七番勝負、▲5八銀の局面で香が1八ならば△2七金▲1九角△2六角と飛車をいじめる手が効果的になっています。
対して1二香は端攻めをされやすいこと、激しい攻め合いになったときに玉を狭めているのが気になります。いったいどちらの損が響くのかに注目しましょう。
▲永瀬-△斎藤 構想力の勝負
▲真田-△渡辺明 戦いが始まる(1)
真田-渡辺明戦は▲1九角で昼食休憩に。再開後、△7五歩で戦いが始まりました。
▲1九角では▲2五桂も指されていますが、真田七段は△3七角を嫌ったようです。先に▲1九角と打てば、桂を跳ねたあとに△3七角と打たれるキズを消しています。
なお、▲2五桂△3七角の前例は前期竜王戦2組昇級者決定戦決勝の▲谷川浩司九段-△広瀬章人八段戦が挙げられます。結果は終盤で金銀打合いの千日手。指し直しは谷川浩司九段が勝ち、1組復帰を果たしました。
開始日時:2014/10/23 10:00:00
終了日時:2014/10/23 21:45:00
先手:谷川 浩司 後手:広瀬 章人
▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲7八金 △8五歩 ▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △4二銀 ▲3八銀 △7二銀 ▲9六歩 △9四歩 ▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △6三銀 ▲6八玉 △5二金 ▲5八金 △4一玉 ▲1六歩 △1四歩 ▲3六歩 △5四銀 ▲5六銀 △4四歩 ▲6六歩 △3一玉 ▲7九玉 △7四歩 ▲3七桂 △3三銀 ▲4八飛 △4二金右 ▲8八玉 △2二玉 ▲1八香 △1二香 ▲2五桂 △3七角 ▲3三桂成 △同金直 ▲3八飛 △2六角成 ▲4七金 △2七馬 ▲4八飛 △8六歩 ▲同 歩 △8五歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △9五歩 ▲同 歩 △9六歩 ▲6二角 △3二金引 ▲5一角成 △2五飛 ▲4一銀 △9五香 ▲8六銀 △9七歩成 ▲同 香 △9六歩 ▲同 香 △同 香 ▲9七歩 △4一金 ▲同 馬 △8四桂 ▲9六歩 △7六桂 ▲9七玉 △8八歩 ▲6七銀 △8九歩成 ▲7六銀 △5五桂 ▲1七桂 △同 馬 ▲同 香 △4七桂成 ▲4二金 △3一金打 ▲3二金 △同 金 ▲4二金 △3一金打 ▲3二金 △同 金 ▲4二金 △3一金打 ▲3二金 △同 金 まで100手で千日手
開始日時:2014/10/23 22:15:00
終了日時:2014/10/24 02:03:00
先手:広瀬 章人 後手:谷川 浩司
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角 ▲3六飛 △8四飛 ▲2六飛 △2二銀 ▲8七歩 △5二玉 ▲6八玉 △7二銀 ▲4八銀 △2三銀 ▲3六歩 △8八角成 ▲同 銀 △3三桂 ▲2八飛 △2五歩 ▲3七銀 △6二玉 ▲7七桂 △2四飛 ▲2七歩 △7一玉 ▲8六歩 △3四銀 ▲8七銀 △4二金 ▲9六歩 △4五銀 ▲4六歩 △5四銀 ▲5八金 △4四歩 ▲7九玉 △4五歩 ▲8八玉 △5五銀 ▲4五歩 △2六歩 ▲同 歩 △4五桂 ▲4八飛 △4四飛 ▲4六銀 △同 銀 ▲同 飛 △6九銀 ▲6六角 △4三歩 ▲6八金右 △7八銀成 ▲同 金 △2八角 ▲5六飛 △5七桂成 ▲同 飛 △4九飛成 ▲3七桂 △3九角成 ▲7九銀 △6九金 ▲5四歩 △同 歩 ▲5九歩 △7九金 ▲同 金 △5七馬 ▲同 角 △3八飛 ▲7八金打 △3七飛成 ▲2四角 △3三歩 ▲2五桂 △3六龍 ▲5八角 △4四龍 ▲3六角 △2四龍 ▲4四歩 △同 龍 ▲2一飛 △3七角 ▲3一飛成 △5一銀 ▲1一龍 △1九角成 ▲4七香 △2四龍 ▲1三桂成 △6四馬 ▲1四角 △8五歩 ▲7五銀 △5三馬 ▲8五歩 △7四歩 ▲6五桂 △3五馬 ▲4三香成 △同 金 ▲4一角成 △2一歩 ▲2三成桂 △2六龍 ▲2一龍 △7五歩 ▲5一馬 △同 金 ▲同 龍 △6一香 ▲5三銀 △5五角 ▲9七玉 △8六歩 まで130手で後手の勝ち
▲永瀬-△斎藤 対局再開
▲真田-△渡辺明 対局再開
対局者の昼食
▲永瀬-△斎藤 昼食休憩
▲真田-△渡辺明 昼食休憩
▲真田-△渡辺明 46分で▲1八香
ここまで0分で飛ばしていた真田七段。△2二玉に初めて時間を使い、46分考えて▲1八香と指しました。
▲1八香は間合いをはかった手で、後手の最善形を崩す狙いがあります。よくある進行は、△4三金直▲2五歩△4二金引▲4五歩です。2筋を突き越してから先手は▲4五歩と仕掛けることができます。
単に▲2五歩だと手番は後手で、△6五歩と動かれる心配があります。しかし本譜のように▲1八香△4三金直▲2五歩の交換を入れれば、▲4五歩の当たりがきついため後手は△6五歩と動きにくく、△4二金引を選ぶことになります。そうなれば手番は先手になり、▲4五歩と仕掛けられるわけです。手待ちで手番を得られるのは将棋の深いところですね。
△2二玉の局面は先手の分岐点で、▲2五桂、▲1八香、▲2五歩、▲6八金右が指されていました。千葉幸生六段は「▲6八金右が最新ですが、それだけでは限界があるので少し古い形も掘り起こす棋士もいます」と話していました。相矢倉と同じように、角換わりも先手が工夫する時代になるかもしれません。