2022年8月の記事

2022年8月23日 (火)

70手目から78手目まで
△7五銀▲同金△同角▲7七角△9三角▲7三歩(1図)
△同金▲7四歩△7二金(2図)

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▲7三歩は軽手であり好手。△7三同飛は▲7四歩△7一飛▲9四銀△8二角▲8三銀成△4六角▲7三歩成△同金▲8二成銀(参考図)で飛車を取られます。△4六角が飛車取りにならないのは、夕食休憩明けに2七飛型にした効果です。また、△8二角に代えて△6六角▲同角△9四香は、▲9三角成△7四飛▲8三馬の王手飛車取りがありました。

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山崎八段は▲7三歩の局面を体育座りで眺めていました。実戦は25分の考慮で△7三同金と辛抱し、以下20時ごろには2図まで進みました。夕食休憩明けの時点で山崎八段は1時間のリードがありましたが、2図では12分にまで詰まっています。

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Dsc_7236_2 (形勢は広瀬八段が若干リード。しかし山崎八段もくらいついている)

63手目から69手目まで
▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2七飛△6三歩▲6六桂

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19時10分ごろの局面。対局再開以降の指し手は渋いものでした。先手は2筋の歩交換から2七飛型に構え直し、後手は△6三歩でキズを消す。さらに▲6六桂と据えたのが図の局面。▲6六桂も力をためた手で、次は▲7四歩の押さえ込みや▲4五歩(△同歩なら▲4四歩△同銀▲5四桂)の攻めを狙っていそうです。

Dsc_7202(山崎陣は異形ながら均衡を保ち続けている)

57手目から62手目まで
▲6六金△7六歩▲同金△7一飛▲8七銀△6一玉

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図の局面で広瀬八段が13分使って夕食休憩に入りました。休憩時間は18時から40分間。消費時間は▲広瀬3時間53分、△山崎2時間53分(持ち時間は各5時間)。夕食の注文は広瀬八段が「うな重セット(赤だし)」(ふじもと)。山崎八段は「パスタセット(ヤリイカとブロッコリーのレモンオイルパスタ)」(アンフォラ)。

52手目から56手目まで
△5七桂成▲同金△7五歩▲6五歩△4二角

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山崎八段が選んだ攻めは△4五歩でも△5七銀でもなく、△5七桂成▲同金△7五歩でした。控室では「筋としてはある」と触れられていた程度で、候補手には入っていませんでした。序盤の駒組みもそうですが、中盤の指し手も独特な山崎ワールドです。以下▲6五歩△4二角と進んで図の局面。あと1時間ほどで夕食休憩に入ります。

49手目から51手目まで
▲6五同銀△同桂▲6六歩

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広瀬八段は▲6五同銀△同桂▲6六歩を選びました。駒損を受け入れるのですから決断の一手です。控室では図から(1)△4五歩▲6五歩△4六角が予想されています。上村五段は後手持ちの見解。ABEMAでは(2)△5七銀も解説されていて、それも有力のようです。ただし、△5七銀は▲7九角△4六角▲1八飛や▲5七同金△同角△4五桂▲7九角といった変化をクリアしなければいけません。かなり読みづらい手です。

Dsc_7222(チャンスを迎えた山崎八段。どの攻め筋を選ぶか)

43手目から48手目まで
▲8六歩△6四歩▲同歩△同角▲4六歩△6五歩

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駒組み完了後に指したのは▲8六歩でした。対して後手は6筋の位を奪い返そうとしています。図の△6五歩には▲5七銀、▲7七銀引、▲6五同銀の3択。

(1)▲5七銀は△4五歩に備えていますが、▲8六歩と突いた手とのバランスはよくありません。(2)▲7七銀引は逆に△4五歩の備えになっていません。(3)▲6五同銀△同桂▲6六歩は穴熊流の指し方ですが、△4五歩▲6五歩△8二角で難しそうです。

いずれにしても△4五歩は急所の一手。角だけでなく4一飛型も生きてくる可能性があるからです。広瀬八段は長考に入りました。先手十分に思えた序盤でしたが、図の局面は容易ではなくなったかもしれません。

41手目から42手目
▲7八金△7三桂

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14時30分ごろの局面。先手は▲7八金を指し、△7三桂で手番を得ました。図は分岐点です。よさを求めて動くなら(1)▲3五歩△同歩▲同角が一例ですが、3筋で1歩を渡します。そのうえで後手の端攻めがどの程度のものかを見極めなければなりません。端攻めに備えるなら(2)▲8六歩が考えられます。(1)と(2)では方向性がまったく異なるため、次の一手は重要です。

Dsc_7054(朝の対局室)

35手目から40手目まで
▲6五歩△7三銀▲6六銀△6二金▲6八角△8四銀

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14時10分ごろの局面。先手は穴熊に組むだけでなく、6筋に位も張りました。上村五段は穴熊と6筋の厚みを「囲いが2つあるかのよう」と話します。休憩明けに指された▲6五歩が機敏な手で、先手が十分に組めているようです。後手陣は午前の記事(リンク)で紹介した継ぎ盤の形に近づいています。

Dsc_7231(広瀬八段は堅さだけでなく厚みも求めた)

千駄ヶ谷の街を歩きました。本日は二十四節気の「処暑」。暑さがやわらぎ始める時期です。たしかに少しすごしやすくなったように感じます。東京・将棋会館はヒューリック株式会社の千駄ヶ谷センタービル建替計画にあわせ、2024年に同ビル1階へ移転する予定です。その工事が始まっていました。周辺にはかつて徳川家の邸宅があり、その名残りを電柱にみることができます。

Dsc_7288(現在の東京・将棋会館)

Dsc_7290(鳩森八幡神社)

Dsc_7306(夏も終盤)

Dsc_7322(駅前の工事現場。設計・施行は大成建設)

Dsc_7329

Dsc_7197(再開5分前。広瀬八段は体を休めていた)

Dsc_7207(山崎八段は険しい表情)

Dsc_7257(再開の時刻が近づき、エンジン再始動)

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Dsc_7272(▲6五歩を指した)

Dsc_7279(歩を伸ばされて山崎八段は考慮に沈む)