――一局を振り返って。
永瀬 先手は(玉の)堅さが主張で、こちらは薄い形なので、かなり神経を使う将棋なのかなと思っていました。
――3筋の歩を交換されたあと△3四歩(58手目)と打たれた辺りは。
永瀬 先手の囲いが堅すぎるので、かなり気を使うところが多いのかなと思っていました。
――△5七銀(68手目)の辺りは。
永瀬 △7五歩と△5七銀でかなり迷ったんですけど、△5七銀が第一感だったので、そちらを指しました。
――勝ちになったと思われたところは。
永瀬 ▲4四歩(103手目)△同金としたあと、こちらの△7八金が厳しければ勝ちになっているんじゃないかと思いました。
――今期の棋王戦をここまで振り返って。
永瀬 一局、一局、とても大変だったんですけど、その中で自分なりの課題を克服でれきばと思いながら指していました。
――第43期以来の棋王戦挑戦となります。いまのお気持ちは。
永瀬 挑戦者になることができてよかったと思います。そのとき(第43期の渡辺明棋王との五番勝負)はかなり実力差があるというふうに感じましたので、少しでも差を縮められるよう頑張っていきたいと思います。
――一局を振り返って。
郷田 序盤はあまり経験のない形で、対応がうまくできなかったですね。
――今期の棋王戦を振り返って。
郷田 苦しい将棋ばっかりで。快勝譜もありましたが、最後がいちばん内容が悪くて。まあ仕方ないですね。
(玉響)




図は持ち駒の角を6八に打った局面。△7七角成と△3五角成を狙った攻防手です。佐藤康九段は先手の穴熊が薄いと指摘しており、形勢も後手が優位に立ったと見られています。
控室に日本将棋連盟会長の佐藤康光九段が訪れました。図では△7五歩が佐藤康九段の第一感でしたが、永瀬王座の指し手は△5七銀でした。次は△6六銀成と、△4六歩~△4七歩成の狙いがあります。


(12月30日に斎行される年越の大祓ために、茅の輪が用意されていた)


図は7七にいた銀を8八に引いた局面。△8五歩▲同歩に△同桂が銀取りにならないよう、早逃げした意味ですが、△8六飛が生じるので浮かびづらいところでもありました。図からは△8六飛▲8七歩△8一飛が予想される進行ですが、そこで先手の手が広そうです。郷田九段の組み立てに注目されます。
13時10分、△8六歩と後手が先攻しました。現局面で▲8六同銀なら△6五歩が4四角の利きを生かした突き出しになります。▲7九銀~▲8八銀上と穴熊のハッチを閉められてからでは▲8六同銀と取り返されてしまうので、▲8六同歩を強要させたかったと推測されます。