【渡辺棋王の談話】
――今日の将棋は序盤から個性が光っているように思えましたが、研究の範囲だったのでしょうか。
「ああ、まあそうですね。一応作戦だったんですけど。ただ、そのあとは手が広いので……。▲6三歩成(51手目)のところとか、手が広いので、ちょっとどういう展開になるか、わからなかったですけど」
――優勢を意識されたのは、どのあたりですか。
「飛車を8四に引いたあたり(74手目)で、ちょっといいかなと思いました。△8六飛走って、(8七)金でも銀でも8四に引く手が……、それで攻め合いでちょっと勝てる形じゃないかと思いまして」
――好スタートをきられたということで、あらためて意気込みを聞かせていただけますか。
「棋王戦は、しばらくいい感じで戦えているので……。そうですね、それを続けられるように頑張りたいと思います」
【佐藤八段の談話】
――残念な結果になりましたが、振り返られていかがですか。
「中盤が難しい将棋で……難しいと思いながらやっていたのですが、進んでみると自信がない、という感じで。あまりよくなる感じの順がわからなかったですね」
――渡辺さんの△7三角(46手目)は、驚かれましたか。
「そうですね。あんまり見たことがない筋だったので、こういう手もあるのかという感じでした」
――中盤から終盤にかけては、苦しいという感じでしたか。
「微妙な均衡が取れていてもおかしくないかな、とは思っていたんですよ。ただ、仮にそうだとしても、具体的な手が難しかったですし、ちょっとわからなかったですね」
――第2局に向けていかがですか。
「本局は終盤が一方的になってしまいましたので、気を取り直して、いい将棋を指して、巻き返しを狙えたらなと思います」
(八雲)