図は19時過ぎの局面。久保棋王は▲7五歩と飛角の焦点に歩を放った。100手目△5七歩のお返しだ。△同飛も△同角も、どちらかの大駒の利きが一瞬消える。ここに来て形勢不明。なんという戦いだろう。手数はまもなく150手に届く。控室では最長手数の対局が話題に。関係者が「300手を超えるものはありましたよね」と口を開くと、「それ、私が記録取りました。▲丸山-△屋敷戦(※)です」と深浦九段が答えた。
この対局もまだまだ終わりそうにない。
※……▲丸山忠久四段-△屋敷伸之棋聖、1990年9月、王座戦予選 (段位・肩書きは当時のもの)
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