最終盤まで、どちらが勝つかわからなかった本局も、66手目の77銀成ぐらいから、ついに、形勢が久保八段に傾きかけた。必死の粘りも一歩及ばず、86手で佐藤棋王が投了、挑戦者の久保八段が先勝した。終局後、公開対局であることから、両対局者にインタビュー、その後、大盤解説会場に移動し、解説を行った。
局後の感想戦では、佐藤棋王が51手目の54歩を悔やんだ。41飛でどうだったか?といった検討もあった。86手というと、決して長手数ではない将棋であるが、手数以上の内容の濃さを感じさせる将棋であると言えるだろう。
おやつで注文された、佐藤棋王のフルーツは、終盤の激闘を物語っていたかのように、手付かずで、傍らにそっと置いてあった。
さて、さらに感想戦は進み、67手目▲26角に代わり、▲84歩△78成桂▲59玉△37桂▲83歩成△同金▲52飛△72銀▲86角!(下図)が絶妙の受けで、後手の攻めが切れて先手勝ちか?!という手順が検討され、20時現在もその部分を中心に、検討が行われている。