2021年9月17日 (金)

2021091780

図は後手が△7五銀と打った局面。飛車取りに当てながら上部を厚くする手で、上部の開拓も虎視眈々と狙っています。伊藤女流三段は苦しい局面での粘りも持ち味。△7五銀はいかにも伊藤調、との評判でした。

しかし△7五銀に対する▲8八飛が冷静な一手。後手を引いて元気が出ないようですが、手番を渡された後手も攻めるとなると簡単ではありません。△4六銀と指したいところですが、▲4七歩と受けられると攻めが続かないようです。△3七銀打の突撃も駒の数が足りません。
△4六銀が利かないとなると陣形もしっかりしており、冷静に見れば先手が勝ちやすい局面との評判です。ただ、後手の駒も迫ってきており、先手も甘い手は指せない局面。少し前に比べれば頑張り甲斐が出てきたといわれています。

<消費時間>
▲里見香 2時間14分
△伊藤  2時間34分

2021091771

図は15時前の局面。
▲4一銀(67手目)から先手がうまく食いつく形を作り、順調にリードを広げています。後手の粘り方も難しく、先手がゴールに向かって進んでいるようです。ただ、後手玉に必至がかかるような局面ではなく、すっきりとした決め方もまだ見つかっていません。里見香女流四冠も慎重に時間を使っています。

<消費時間>
▲里見香 ▲1時間2分
△伊藤  △2時間21分

11_2 (伊藤女流三段。苦しい状況だが勝負形に持ち込むことができるかどうか)

2021091766

図は▲8六飛に後手が△3五銀と前に出たところ。受けの棋風の伊藤女流三段ですが、最も強い手で応じました。5筋が薄くなっていかにも危ない形ですが、受けに自信があるのだろうと控室でいわれていました。

「攻めてこい」と手を渡されて先手はどう指すか。▲5三歩成△同金▲3一角△3二飛▲5一銀△5二玉▲4二銀成△同飛▲同角成△同玉▲6二飛と決めにいくのは、△5二歩と打った形がしっかりしています。△3七銀の打ち込みや△7四角のラインがあるため、この変化は後手も戦えるようです。

里見香女流四冠の手が伸びたのは4筋。歩成りを利かさずにじっと銀を打ち、守りの要である金を攻めていきました。控室で新聞解説の長岡裕也六段も挙げていた一手で、鋭手との評判です。手の広く何を指せばいいか見えにくい局面でしたが、里見香女流四冠の手が急所を捉えました。
形勢は先手がリードしたのではないかと見られています。

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2021091760

図は14時20分ごろの局面。先手が攻め、後手が受ける構図になりました。ここまでは棋風どおりの展開です。

▲5四歩(57手目)とコビンを攻めてきたのに対し、伊藤女流三段は△2五歩▲1七銀△6四歩と応じました。控室では「難しい戦い」の声が挙がっています。
先手からは▲5三歩成(1)△同金▲5四歩△同金▲8四飛の十字飛車と、(2)△同銀▲5五角の両取りの筋が狙いとしてありました。△6四歩はその2つを同時に防いだ一手。歩が防波堤の役割を果たしています。

先手の狙いを消している反面、▲3一角~▲6四角成の筋が生じているため、後手から△5四歩とは取りづらくなりました。伊藤女流三段がどうまとめていくかに注目です。

<消費時間>
▲里見香 1時間37分
△伊藤  2時間0分

9 (伊藤女流三段。力強い受けが持ち味だ)