2021年9月17日 (金)

鋭手▲4一銀

2021091766

図は▲8六飛に後手が△3五銀と前に出たところ。受けの棋風の伊藤女流三段ですが、最も強い手で応じました。5筋が薄くなっていかにも危ない形ですが、受けに自信があるのだろうと控室でいわれていました。

「攻めてこい」と手を渡されて先手はどう指すか。▲5三歩成△同金▲3一角△3二飛▲5一銀△5二玉▲4二銀成△同飛▲同角成△同玉▲6二飛と決めにいくのは、△5二歩と打った形がしっかりしています。△3七銀の打ち込みや△7四角のラインがあるため、この変化は後手も戦えるようです。

里見香女流四冠の手が伸びたのは4筋。歩成りを利かさずにじっと銀を打ち、守りの要である金を攻めていきました。控室で新聞解説の長岡裕也六段も挙げていた一手で、鋭手との評判です。手の広く何を指せばいいか見えにくい局面でしたが、里見香女流四冠の手が急所を捉えました。
形勢は先手がリードしたのではないかと見られています。

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