2022年12月23日 (金)

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互いに残り時間が30分を切って指し手のペースが徐々に上がっています。加藤女流三段が△4四銀打(82手目)と手厚く打った局面は後手の銀得。物量の差で後手よしです。ただ、里見女流王座も容易には引き下がりません。

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駒割りは角桂交換の駒損と依然として先手は厳しい状況ですが、玉の堅さを維持して長期戦に引き込み、逆転のチャンスをうかがいます。実戦的な指し回しです。形勢よしと見られている加藤女流三段ですが、残り時間は10分。余裕はないかもしれません。

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加藤女流三段、△7九桂成(66手目)と香を取らず成桂を作りました。これでも▲8八金からの千日手狙いはありますが、△9九飛成▲8七金△8九竜▲8八金に△7八成桂▲同金右△3九銀▲3七玉△5六香という打開筋もあります。実戦は里見女流王座が▲4九金と美濃囲いを再生。これで千日手の筋はほぼ消えました。じっと△3二銀(68手目)で自陣に手を入れる応酬は力がこもっていて、本局に懸かるものの重さをひしひしと感じます。

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ふと、控室で「まだ68手ですか」という声が出ました。菅井八段は「まだまだ長いですよ。最高ですね」と笑顔。形勢ですが、加藤女流三段の指した△3二銀が囲いを引き締めながら自陣の飛車の動きをフリーにして評判がよく、居飛車持ちと見られています。

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15時40分ごろ、控室がざわつきました。図から△9九桂成▲8八金(A図)と進むと、千日手の可能性があります。

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A図から△7九飛成▲7八金左△8九竜▲8八金△7九竜……は千日手模様。神谷八段が思わず対局規定を確認します。打開筋として△3九銀と打つことはできますが、▲3七玉で先手玉を寄せるのも容易ではありません。菅井八段は「対局者だと打開しにくい」と話します。加藤女流三段の決断に注目です。

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後手玉を少し薄くした里見女流王座、▲7九金(59手目)と引きました。と金が残るのでつらい手ですが、飛車を打たせないようにした辛抱です。以下△7七と▲同角△9三桂▲7三馬△7一飛が菅井八段の予想した一例で、自陣飛車で駒得を生かす方針を考えていました。加藤女流三段が指したのは△7七と▲同角に△8七桂! 異筋の桂です。

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狙いは▲6八金上に△9九桂成で香の価値が高いというわけですが、駒台の桂を使って僻地の香を取りにいくのは筋悪の見本のような手で、神谷八段は「やっちゃいけない手と教わったよ」と驚きます。しかし検討してみると△9九桂成にあまり思わしい手がないようで、しばらく盤を見つめていた菅井八段は「意外といい手に見えてきました」と意外そうな表情。これでリードにつなげられれば△8七桂は妙手といえそうです。

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