2015年8月31日 (月)

13時になり対局が再開しました。

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(両者とも再開5分前には席に戻っていた)

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(再開の合図を聞き、里見女流二冠がすぐに△9三角を着手)

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(角頭攻めで積極的に動く伊藤女流初段)

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(ここからは終局まで休みなく指し継がれる)

関西将棋会館の3階にある「棋士室」。こちらは普段、棋士や奨励会員たちが対局の検討や練習将棋の場として使われる部屋です(関係者以外は立入禁止です)。

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(12時頃の棋士室の様子。写真左奥は斎藤慎太郎六段)

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(左が稲葉陽七段、右は本日14時から対局を控える稲葉七段の兄・稲葉聡アマ)

12時10分、図の53手目▲8五歩の局面で、里見女流二冠の考慮時間が6分を記録して昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲伊藤女流初段53分、△里見女流二冠51分。昼食の注文は両者ともにありません。対局再開は13時です。

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両者は過去に1度だけ対戦があり、それが第3期(2013年)女流王座戦。本局と同じ本戦トーナメントの準決勝で顔を合わせました。当時の伊藤女流初段は、女流棋士ではなく奨励会員としての参加で、一次予選からの勝ち上がりです。

対局は里見女流四冠(当時)の先手で相振り飛車(三間飛車対向かい飛車)になりました。石田流本組から角の転回で間合いを計った里見四冠でしたが、手損が響いて伊藤奨励会員がペースをつかみます。

▲6八角

第1図は5七の角を▲6八角と引いた局面。ここで△2六歩▲同歩△4五桂が機敏な仕掛けで、以下▲2七銀△7四歩▲5六飛△4四角▲3五角△同歩と進み、駒得の後手がリードしました。

▲4八金上

しかし里見女流四冠も粘り強い指し回しで決め手を与えず迎えた第2図。ここで△5八歩成も有力でしたが、伊藤奨励会員は△5二金と引き、あえて▲6一銀を打たせる順を選びます。以下△6七馬▲5二飛成△同飛▲同銀不成△5八歩成▲同金△同馬▲6三銀成(△同金なら▲5二飛)と進み、激しい寄せ合いに突入しました。

▲5八角

勝負を分けたのは第3図。ここで伊藤奨励会員は△5九飛と打ちましたが、代えて△5七飛と上から打つ手が勝ったようです。本譜は△5九飛に▲5三飛が、角取りを受けながら▲7三飛成を狙った攻防手。この手を境に流れが変わり、最後は里見四冠が熱戦を制しました。

【第3期リコー杯女流王座戦本戦トーナメント▲里見香奈女流四冠-△伊藤沙恵奨励会1級】
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/3/joryu_ouza201308140101.html

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10時1分、対局が始まりました。振り駒の結果、先手は伊藤女流初段に決まりました。

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◆伊藤 沙恵(いとう さえ)女流初段◆
・1993年10月6日生まれ
・東京都武蔵野市出身
・屋敷伸之九段門下
・女流棋士番号は52
・2014年、女流初段

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◆里見 香奈(さとみ かな)女流名人・女流王位◆
・1992年3月2日生まれ
・島根県出雲市出身
・森けい二九段門下
・女流棋士番号は33
・2004年、女流2級
・2011年、女流五段
・タイトル戦登場は22回。獲得は女王1期、女流王座1期、女流名人6期(クイーン名人)、女流王位2期、女流王将3期、倉敷藤花5期(クイーン倉敷藤花)の計18期

おはようございます。本日は第5期リコー杯女流王座戦本戦準決勝より、里見香奈女流二冠と伊藤沙恵女流初段の一戦をお送りします。

対局は大阪市福島区「関西将棋会館」で、8月31日(月)10時開始。持ち時間は各3時間。先後は振り駒で決定します。

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(関西将棋会館4階より撮影。今朝の大阪の天気は雨)

【株式会社リコー】http://www.ricoh.co.jp/
【日本経済新聞】http://www.nikkei.com/

本局の中継担当は夏芽です。どうぞよろしくお願いいたします。

2015年8月28日 (金)